同じ原子からできているダイヤモンドとえんぴつの差を分ける「結晶」とは【宝石・ジュエリー図鑑】

宝石の原石を見てみよう 原子の結びつき「結晶」ってなに?
多くの鉱物(宝石)は、結晶です。結晶とは原子が規則正しく立体的に結びついているもののことです。この原子の結びつき方は、結晶の形や色、かたさなどにかかわります。
ダイヤモンドとえんぴつの関係
「原子」とは物質をつくるもとになっている基本の粒です。 鉱物(宝石)も、この原子が集まり、結びついて規則的に並ぶことでつくられます。
ただし、この原子の結びつき方がちがうと同じ原子でもまったくちがう鉱物になります。たとえば、えんぴつやシャープペンの芯になる「グラファイト」と「ダイヤモンド」は、どちらも「炭素」の粒からできた鉱物です。
しかしグラファイトとダイヤモンドでは原子の結びつき方がちがう(結晶構造がちがう)ため、まったくちがう性質となります。
いろいろな結晶
ダイヤモンド

正八面体の形をしていて、表面には三角形の小さなくぼみが見えるものがあります。このくぼみをトライゴンといいます。多くのダイヤモンドの原石で、さまざまな大きさのものを見ることができます。肉眼では見えないトライゴンもあります。
グラファイト

グラファイトの層がはがれて紙にくっつくことで文字を書けるえんぴつの芯と、宝石として楽しんだりそのかたさをいかした工具として活躍するダイヤモンド。結晶構造がちがうだけなんて、おもしろいですね。
パイライト

自然にできるのが不思議なくらいのきれいな立方体の結晶をもつパイライト。八面体、五角十二面体の結晶もあります。
【出典】『宝石・ジュエリー図鑑』監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩
【書誌情報】
『宝石・ジュエリー図鑑』
監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩
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人と宝石のお付き合いや、原石から宝飾品になるまでの流れがわかる、ジュエリー図鑑。
さらに地球の活動と宝石の関係や、宝石・ジュエリーにかかわるお仕事まで紹介します。





