自然の色、それとも人の技? 熱で変わる宝石たち【宝石・ジュエリー図鑑】

美しい色に変わる魔法?人の手で変身する宝石

宝石は自然のままで美しいものも多くありますが、人が手を加えることで大きく変身することもあります。宝石をより美しくするためにはいろいろな方法がありますが、ここでは熱を加えることで宝石の色を変化させる方法を紹介します。

熱を加えて色を変える

熱を加えること(加熱)で、ちがう色の宝石に変身するものがあります。

アメシストとシトリンは色がちがいますが、どちらも石英という鉱物です。アメシストに熱を加えることで紫色から黄色のシトリンに変身します。多くのシトリンはこうしてアメシストからつくられているそうです。

また、ルビーやサファイアも高い温度で熱することで、色があざやかに美しくなることがわかっています。

もちろん、すべての宝石が熱を加えることで色が変わったり、美しくなったりするわけではありません。

非加熱サファイア

熱を加えていない、自然の状態のことを「非加熱」とよびます。世のなかに出回っているサファイアの多くは、熱を加えてあざやかで美しい色に変身させる「加熱処理」が行われています。

もともと美しい色をもつサファイアは加熱されず、磨いたりカットしたりするのみで自然が生んだ色のまま「非加熱サファイア」とよばれる宝石となります。

写真:BIZOUX

こちらは淡いニュアンスカラーが美しい非加熱サファイア。「何色」と単純に分けられないからこそ、オンリーワンの美しさがきわだちます。

【出典】『宝石・ジュエリー図鑑』監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩

【書誌情報】
『宝石・ジュエリー図鑑』
監修:BIZOUX(ビズー)/科学監修:小田島庸浩


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