正座をすると足がしびれるのは、なぜ?【眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話】


足の神経が一時的に麻痺を起こすため
ピリピリした感覚は感覚神経の回復
正座をしたときに、足がしびれてしまったという経験は、誰でもあることでしょう。足のしびれは、一時的に起こる血行障害によるものです。足には筋肉を動かす運動神経と、熱さや痛さなどを感じる感覚神経の2つの神経が通っています。
正座をすると、体重の重みが足にかかることによって、血管が圧迫され、血流が悪くなって、一時的に足の神経が麻痺(まひ)した状態になります。
運動神経が麻痺すると、足首を曲げられなくなり、立ち上がることができなくなります。感覚神経も鈍るため、足をつねっても何も感じなくなります。しかし、これは一時的なもので、立ったり、姿勢を変えたりすると足の血流が戻り、感覚神経も回復します。このときに生じるピリピリした感覚が、しびれの正体です。
動脈は必要に応じて形を変えられる
正座に慣れてくると、足の血管が圧迫されているのに、しびれにくくなります。これは、足に必要な血流が確保されているためです。動脈には、必要に応じて太くなったり、細くなったりする性質が備わっています。
お坊さんなど習慣的に正座をする人の場合は、圧迫される太い動脈の代わりにそこから枝分かれしている細い動脈が発達し、血流が確保できるよう太くなります。すると、長い時間正座をしても、足の神経に必要な血液が届くので、しびれにくくなるというわけです。
「正座で足がしびれる」の正体
足の神経が酸欠で麻痺!
体重がかかって床に押しつけられた足は、血管が狭くなり、神経に酸素が届かなくなる。酸素不足の神経は麻痺し、しびれの原因となる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』監修:坂井建雄
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
監修:坂井建雄
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監修は、解剖学の第一人者、坂井建雄先生。
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