【脳の休息】マイナスイオンより「ゆらぎ」が効く? 焚き火やせせらぎに心が落ち着く理由【脱・疲労回復「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣】

家やオフィスで「森林浴」を再現する

癒しとひらめきをもたらす「ゆらぎ」

 森林浴には、人の心身を癒す不思議な力があります。その秘密は、自然界に存在する「ゆらぎ」にあります。木々の葉が風に揺れる様子、小川のせせらぎ、鳥のさえずり、木漏れ日、そよ風――それらはすべて、規則的なように見えて完全には一定でない「不規則な規則性」を持っています。これが「ゆらぎ」です。森の中に入ったときに、独特のリラックス効果が得られるのは、実はよくいわれるマイナスイオンの作用ではなく、ゆらぎ効果によるものだとわかってきています。

 人間の心拍や呼吸、脳波もまた、わずかなズレを含むリズムで動いています。つまり、自然界のゆらぎと人間の体のリズムは同じ性質を持っており、これが重なり合うことで私たちは安心感を覚え、深いリラックス状態に入るのです。焚き火を見つめて心が落ち着いたり、赤ちゃんがお母さんの心音を聴いて泣き止むのも、このゆらぎの効果によるものです。

 一方で、コンクリートに囲まれたオフィスやマンションでは、風も光も一定で、自然のゆらぎがほとんどありません。こうした「静止した空間」に長時間いると、脳はゆらぎのやすらぎを感じることができずに緊張状態が続き、自律神経のバランスが乱れてしまいます

 ゆらぎには、脳をリラックスさせるだけでなく、創造性や直感の精度を高める効果もあります。自然の中でリフレッシュしているときや散歩中に、新しいアイデアがふと浮かぶことがあるのはゆらぎのおかげかもしれません。

 忙しい毎日の中にこそ、意識的に自然と触れ合う時間を取り入れましょう。通勤途中に緑道を歩く、昼休みに公園へ行く、休日に川辺を散歩するなど、小さな自然はいたるところにあふれています。

自宅にも職場にも「ゆらぎ」はつくれる

 自然の中に出かける時間がなかなか取れない人でも、身近な空間に「ゆらぎ」を取り入れることはできます。まず、室内の空気を動かしましょう。エアコンの風だけに頼らず、扇風機やサーキュレーターを首振りモードにして空気を循環させると、風の変化が生まれます。窓を少し開けて自然の風を感じられれば、さらに効果的です。

 次に、観葉植物を置いて視界に緑を取り入れます。植物の成長する姿や、葉の揺れは小さなゆらぎを生み、脳に穏やかな刺激をもたらしてくれます。

 加えて、せせらぎや波の音などの環境音、モーツァルトなどの「ゆらぎ」を含む音楽を流すのもおすすめです。香りの効果も見逃せません。森林の香りやヒノキ、ラベンダーなどのアロマを使えば、嗅覚からもゆらぎを感じられます。

 また、環境だけでなく、自分自身がゆっくりと散歩することも、心拍や血圧、筋肉の活動など自身の体に自然と共通する適度なゆらぎを生みます。人間も自然も共通のゆらぎを持っており、それがやすらぎを生むのです。

自然が持つ「ゆらぎ」のエネルギー

風に揺れる木々、川のせせらぎ、鳥のさえずりなど、自然界が放つ「不規則な規則性」を「ゆらぎ」といい、人の心身を癒す力があります。

「ゆらぎ」を手軽に取り入れる

窓を開けて室内の空気を動かす/森林の香りやヒノキ、ラベンダーなどのアロマを使う/観葉植物を置いて視界に緑を取り入れる

【出典】『脱・疲労回復 「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣』著:梶本修身

【書誌情報】
『脱・疲労回復 「疲れないしくみ」をつくる脳の習慣』
著:梶本修身


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