「嫌われたかも…」と不安なときに試したい3つのセルフケアワーク【今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論】


不安、イライラを抑えるための対症療法
今すぐ不安やイライラを抑えたいというときに効く、おすすめのワークを紹介。
いずれも、困ったときに対症療法として実践するとよいでしょう。
こちらで挙げているシチュエーションにかぎらず、広く使えるワークばかりなので、「緊張したらこれをやってみよう」「リラックスしたいときに試してみよう」というふうに、その時々の状況と得たい効果に応じて行ってみてください。
困ったときにすぐ効く簡単ワーク【日常のシーン】
「相手に嫌われたかも……」と不安なとき
相手を傷つけるようなことをいってしまったり、よけいな一言を口にしてしまったり……。そんなことがあると、家に帰ってからも相手の顔が頭をよぎり、落ちこんでしまうものです。
罪悪感という内向きの感情は、背側迷走神経と強く結びついており、急ブレーキが働いてどんよりした気分を招きます。逆に、腹側迷走神経がよく働いているときは、罪悪感が薄くなり、外向きのエネルギーが湧いてきます。
モヤモヤした気持ちを翌日に引きずっていても、自分の言動を消すことはできません。まずは、これから紹介するワークを実践して、腹側迷走神経(穏やかなブレーキ)を働かせましょう。腹側迷走神経を刺激することで不安がやわらぎ、相手とつながることが怖くなくなっていきます。
<Q>
指導を任されている職場の後輩からしょっちゅう質問されます。自分の仕事が忙しくてイライラしていたとき、つい「今それどころじゃないから!」ときつい口調になってしまって。あんな言い方しなければよかったと、ずっとモヤモヤしています。嫌われたかもしれないと思うと、もうどうやって指導していったらいいのか……と途方にくれてしまいます。
<A>
忙しいときは、イライラして当たり前。あなたは十分頑張っていますよ。でも、自分を責めたり嫌われたかもしれないという不安を抱えたりしたままだと、心がしんどくなってしまいますよね。そんな自分に優しくなれるよう、腹側迷走神経を刺激するワークをやってみましょう。
WORK1:口笛を吹く
大人になってから口笛を吹いていますか?口笛は口のまわりの筋肉や横隔膜を動かし、腹側迷走神経の「つながりモード」を育ててくれるワークです。息を吐くことで気持ちが落ち着くので、不安なときにも効果てきめん。口笛が吹けなくても、少し練習すれば音が出せるようになります。慣れてきたら、音を伸ばすことを意識しながらメロディーを奏でてみましょう。腹側迷走神経の「つながりモード」をより鍛えられます。
WORK2:高音でため息
ため息をつくという行為には、あまりよいイメージがないかもしれません。でもじつは、口笛と同じく、腹側迷走神経の「つながりモード」を育てリラックスする効果があるのです。
ため息をつくさいは、息を吐くだけでなく、高い声で「はぁ〜」と発生するのがポイント。息を吐くことで気持ちが落ち着くと同時に、声を出すことでのどが動くので、腹側迷走神経を刺激することができます。
WORK3: ぬいぐるみを抱っこする
ぬいぐるみを抱きしめると、気持ちよさや安らぎを感じませんか?このように、「触れるのは気持ちいいこと」だと身体に感じさせることで、腹側迷走神経の「つながりモード」が育っていきます。ぬいぐるみの大きさはとくに問いませんが、大きなぬいぐるみや毛足の長いモフモフのぬいぐるみなら、より触れることの気持ちよさを感じられるでしょう。

【出典】『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』著:浅井 咲子
【書誌情報】
『今度こそ「不安ぐせ」をゆるめる ポリヴェーガル理論』
著:浅井 咲子
3つの自律神経を味方につけて〈不安ぐせ〉を〈安心ぐせ〉に変える!
「次から次へと心配ごとがでてくる」
「ニュースやSNSで不安になりがち」
「イライラする」「ストレスに弱い」
「気持ちの浮き沈みがはげしい」「やる気が起きない」
などの〈不安ぐせ〉を抱える人へ。
ポリヴェーガル理論は、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系の神経理論です。
自律神経を、1つの交感神経と2つの副交感神経(背側迷走神経と腹側迷走神経)の3つで捉えます。
本書では「セオリー」「テクニック」「ワーク」に分けてわかりやすく紹介します。
本当は必要ではないのに過剰に防衛したり、考えても仕方がないことにイラっとしたり、不安になったり。
そうしたもったいない時間を減らして、「今ここ」にある幸せを感じ、安心できるようになるためのメソッドです。
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