孔子の四つの教えとは【論語】

子(し)、四(よ)つを以(もっ)て教(おし)う。文(ぶん)、行(こう)、忠(ちゅう)、信(しん)。
<訳>先生は、四つのことを教えられた。学問を学ぶことと、学んだことを実行すること。実行には真心をもってあたり、信義を尽くすことである。
孔子が教えた四つのことについて、以下で見ていきましょう。
文とは、書物を読んで知識を得ることです。書物とは、古典のことです。
行とは、実行することです。学問から得た知識を実践しなければ無意味だといいます。
忠とは、真心を尽くすことです。
信とは、約束ごとを守って、信頼を得ることです。ここで注意しなければいけないのが、忠です。武士道に代表される日本での忠の認識は、忠義・忠孝の言葉で表されるように、君主の命に疑問をもつことなく従い、尽くす精神とでもいったらよいでしょうか。
君主が臣下に命令するものと考えられていました。しかし孔子は、そのようにはいってはいません。
忠が、真心を表すものであることから、君主に強制などされずに、君主のことを自ら思い、真心を尽くす精神のことをいっています。
視点を変えると戦国時代の忠義心のように感じますが、『論語』本来の忠にはそうした意味はありませんでした。人間が、社会的活動(仕事)をするうえで必要とされる心がまえとして、孔子の言葉は今に生きているといえます。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 論語』
監修:山口謠司 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
1963年長崎県生まれ。博士(中国学)。大東文化大学文学部大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現大東文化大 学文学部中国学科准教授。 主な著書に『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)、『日本語を作った男 上田万年とその時代』(第29回和辻哲郎文化賞を受賞。集英社インターナショナル)、『日本語の奇跡〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』『ん─日本語最後の謎に挑む─』『名前の暗号』(新潮社)、『てんてん 日本語究極の謎に迫る』(角川書店)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)、『大人の漢字教室』『にほんご歳時記』(PHP 研究所)、『漢字はすごい』(講談社)、『語彙力のヘソ』(徳間書店刊)、『おとなのための 1 分読書』(自由国民社)など著書多数。
2500年の時を超え、「聖書」と並び読み継がれてきた孔子の言葉を著した『論語』。「人生最高の教え」と賞される、この全20章500余の短文から現代により通じる「珠玉の言葉」を厳選して紹介、図解でわかりやすくまとめた1冊!
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