ストレスへの対処法は沢山あると良い? 精神的な安定と自己肯定感の向上につながる“ストレスコーピング”とは【その、しんどさは「季節ブルー」】


1年を通して自分の心と体を大切にするためのセルフケアワーク
1年を通して変わりやすい心と体を上手にケアし、自分だけの「ご機嫌」を保つための具体的なセルフケアワークを紹介します。
セルフケアが上手になるために、何よりも大切なこと。それは、自分の心と体の小さな声に「気づく」ことです。
セルフケアワーク② イライラはコントロールできるストレスコーピングのすすめ
生きていく上で環境ストレスを避けることは困難です。
特に季節の変わり目などはさまざまなストレス(外からの「邪気」)を感じやすくなります。そんなとき、ストレスに翻弄されるのではなく、上手に対処するスキル「ストレスコーピング」が重要になります。
ストレスコーピングとは、ストレスの原因(ストレッサー)や、それによる心と体の反応(ストレス反応)にうまく対処しようとする意図的な行動や思考のこと。ストレスへの対処法とも言えます。意識的に行うことで、ストレスの悪影響を軽減し、精神的な安定を保つことが期待できます。
ストレスコーピングには、主に2つのタイプがあります。
ひとつは「問題焦点型」。ストレスの原因そのものに働きかけ、問題を解決したり状況を改善したりするアプローチです。たとえば仕事量が多すぎるなら、上司に相談して業務量を調整してもらうなどです。
もうひとつは「情動焦点型」。ストレスの原因を変えるのが難しい場合に、不快な感情(怒り、不安など)を和らげようとするアプローチ。気分転換に趣味を楽しむ、友人に話を聞いてもらう、リラクゼーション法を行うなどです。
自分に合ったコーピング・レパートリーを
大切なのは、コーピング・レパートリー(対処法の引き出し)を多く持ち、状況に応じて適切なものを選択・実行することです。これによりストレス耐性が向上し、問題を解決する能力が高まります。感情をコントロールする力が養われ、それがやがては精神的な安定と自己肯定感の向上につながります。
たとえば、イライラし出すとその感情をコントロールできなくなるという方は、イライラの初期サインに気づいた時点で、その感情に対して深呼吸する、その場を離れるなどを試すと良いでしょう。
すぐパニックになるという方は、事前に状況を予測し、不安な場所や状況についてあらかじめ詳しく調べておく、信頼できる人に付き添いを頼む、お守りを持つ、安心できる言葉を唱える、といった具体的な対処法をリストアップしておくと有効です。
他人の悪い点が気になるという方は、その感情が自分を苦しめていると気づいたら、相手と距離を置いたり、気分転換を図ったりするという対策が考えられます。
ストレスコーピングは日々の生活で意識的に試し、自分に効果的な方法を見つけて実践していくことが大切です。
さまざまな対処法を試しながら、自分だけの「ストレス対処法リスト」を充実させましょう。それがあなたの心をストレスから守る財産となります。いくつか例を紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
ストレスコーピング一覧
ストレスへの対処法(ストレスコーピング)に、唯一の正解というものはありません。大切なのは、今の自分の心と体の状態に合わせて、最適な手段や方法をいくつ持っているか、ということです。そのときどきのサインに応じて、自分を助けるための「お守り」のような対処法リストをつくってみましょう。
体を動かして発散する
● 軽いウォーキングやジョギングをする
● 好きな音楽に合わせて踊る
● ヨガやストレッチで体を伸ばす
● ひとりカラオケで思いきり歌う
● クッションや枕を叩いてみる
● 部屋の掃除や模様替えに没頭する
● 景色の良い場所までサイクリングする
五感を使って心を鎮める
● 美しい風景の写真集や動画を見る
● 夕日や星空を眺める、部屋に花を飾る
● 心が落ち着く音楽を聴く(クラシック、自然音など)
● 好きなラジオやポッドキャストを聴く
● アロマオイルを焚く
● ハーブティーの香りを楽しむ
● 雨上がりの土の匂いを嗅ぐ
● 旬の食材を使ったおいしいものをゆっくり味わう
● 好きなチョコレートをひとかけら食べる
● 肌触りの良いブランケットにくるまる
● ペットを撫でる
● 温かいお風呂にゆっくり浸かる
心を静かに整える
● 瞑想やマインドフルネスを試す
● ゆっくりとした深呼吸を数回繰り返す
● 自然の中で過ごす(森林浴、公園のベンチに座る)
● キャンドルの炎をぼーっと眺める
● 温かい飲み物を両手で包みながら飲む
● 没頭できる読書や映画鑑賞をする
思考と感情を整理する
● 今の気持ちを紙に書き出す
● 今日あった「良かったこと」を3つ思い出す
● 心配事や不安をすべて書き出し、コントロールできることと できないことに分ける
● 涙活(るいかつ)をする(感動する映画や本で意識的に泣いてみる)
● 信頼できる人に話を聞いてもらう
【出典】『その、しんどさは「季節ブルー」』著:長沼睦雄
【書誌情報】
『その、しんどさは「季節ブルー」』
著:長沼睦雄
「春先はいつもイライラして、眠れない」
「雨が降る前は、決まって頭が痛い」
「秋になると、理由もなく気分が落ち込む」
「寒い冬はずっと気分が鬱々としてしまう…」
毎年やってくる季節の変わり目の不調。
それは、あなたの「気のせい」でも「怠け」でもありません。
実は近年、こうした「季節ブルー」を感じる方がとても多くみられます。
西洋医学では「自律神経の乱れ」や「ホルモンバランスの変化」と説明されるそれらの不調は、二千年以上前の東洋医学の聖典『黄帝内経』によれば、自然界のエネルギー(気)と私たちの体が共鳴し合うことで生じる、ごく自然な反応です。
だから、心と体がしんどくなっても、決して自分を責めないでください。
本書は、過敏性研究の第一人者である著者が、西洋医学の豊富な知識で不調の「正体」を解き明かしながら、東洋医学の知恵を用いて、あなたに寄り添う1冊です。
最新の医学的知見と、古代からの壮大な知恵を組み合わせ、「なぜ季節の変わり目に、あなたの心と体はゆらぐのか?」その根本原因を解き明かし、気圧、気温、湿度、日照時間といった自然のリズムと上手に付き合い、自分自身を優しくいたわるための具体的な「養生法」を提案します。
私たちが本来持っている自然治癒力を引き出し、根本からゆらぎにくい心と体質へと整えていきましょう。
ページをめくるごとに、自分の不調の正体がわかり、心がふっと軽くなるはずです。
もう、季節の変化に振り回されない。
これは、変化の多い時代を生きるあなたのための、一生もののお守りとなる一冊です。
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