巣づくりの工夫がすごい! 鳥たちの材料と形の秘密とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話】

鳥によって違う巣の材料とつくり方

我が子を育てるための鳥たちの工夫

多くの鳥は巣をつくりますが、なんのためにつくるのかというと、子育てのためであることが大半です。多くの場合は繁殖期につくってそこに卵を産み、卵を温めている間は親鳥も巣で眠ることもありますが、雛が孵れば夜の間は木の枝の上などで眠ります

巣をつくる場所や材料、巣の形状などは種によってさまざまです。よく見かける鳥の巣といえば、ツバメの巣を思い浮かべる人が多いでしょう。彼らは家の軒先などの人工建造物の壁に泥でお椀型の巣をつくります。

ドバトも身近な鳥の一種です。マンションのベランダに巣をつくるなど、雨風をしのげる高い場所を好み、小枝や枯葉などを積み上げた浅い皿型の巣をつくります。

かなり手の込んだ巣をつくる鳥もいます。エナガは、苔などの地衣類をクモの糸でまとめて巣をつくり、すき間には羽毛を編み込んで精巧なトックリ型の巣をつくります。またキツツキやコゲラなどは自分で木の幹に穴を掘って巣をつくる一次樹洞営巣種(いちじじゅどうえいそうじゅ)です。反対に自分では巣をつくらずに自然にできた樹洞などを巣に使う種もいます。

また巣づくりと材料運びはペアで行われることが大半ですが、つがいで一緒に行ったり、役割分担するなど種によって異なります。

個性いろいろユニークな巣

ツバメの巣

人工建造物 × 泥 × お椀型

カササギの巣

樹上 × 枝 × ボール型

エナガの巣

木の股 × 苔・クモの糸 × トックリ型

コゲラの巣

樹洞(木に開けた穴)

多種多様な営巣場所・材料・巣の形

営巣場所

● 地中・・・ウトウ、カワセミなど
● 地上・・・コアジサシ、カツオドリなど
● 草上・・・ウグイス、ベニスズメなど
● 樹上・・・オオタカ、キジバトなど
● 樹洞・・・キツツキ、フクロウなど
● 岩壁・石のすき間など・・・オオルリ、イワツバメなど
● 人工建造物の壁・・・ツバメ、スズメなど
● 木の枝・・・キジバト、カササギなど

巣材の種類

● 泥・小石・・・ツバメ、ツチスドリなど
● 自分の唾液・・・アナツバメなど
● 毛・羽毛・・・ヒメアマツバメ、エナガなど
● 昔、地衣類など・・・ヤマガラ、ミソサザイなど

巣の形状

● 樹木の穴・・・鳥や木によって、深さや広さは異なる。クマゲラ、アカショウビンなど
● お椀型・・・深い産座で屋根はない。メジロなど
● ボール型・・・産座は深く屋根があり、出入り口の穴は横にある。ミソサザイなど
● トックリ型・・・ボール型の入口が細く伸びた形。ウグイス、エナガなど

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』監修:小宮輝之

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鳥の話』
監修:小宮輝之


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飼うこと、食べること、動物園・水族館・花鳥園などでの鑑賞、身近にいる野鳥など、寿命が長い上、インコやオウムなどは話したり、歌ったりとコミュニケーションもとれることから、日本には愛鳥家も多く鳥関連のイベントも定期的に開催されており、動物類のなかでもコアファンが多い生き物です。

鳥類は恐竜時代から大量絶滅を唯一生き延びた動物のため、歴史も古く、進化の過程で飛ぶ・飛ばないをはじめ、大きさや形、色、生息地域も異なり、外見も内面も個性豊か。
社交性も高い上、カラスやオウムなどは知能も高く、行動学の観点でも面白い特徴が多く見られます。

「約1万種類いる鳥類の半分はスズメの仲間」
「鳥の祖先は、結局恐竜なの?」
「鳥に歯はない。くちばしは骨?角質?」
「カラスは家族のためなら、友情は簡単に裏切る」
「スグロミツドリは“右半身がオスで左半身がメス”」
「カメは万年、ツルは千年 ツルの本当の寿命は30年」
「おしどり夫婦の由来であるオシドリは普通に浮気する」
「ダチョウは家族が入れ替わっても気付かない」
「ハゲワシがハゲているのは、ちゃんとした理由がある」などなど
そんな鳥たちの意外な生態や知られざる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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