望遠鏡が世界を変えた!天文学の革命を起こした発明の物語【眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話】


望遠鏡が天体観測を発展させた
古代に肉眼で観測することからはじまった天体観測ですが、望遠鏡が発明されたことで、その精度はさらに上がっていきました。
もともと、望遠鏡や眼鏡で現在当たり前に使われているレンズというのは、ものを見るためではなく火をつけるための道具でした。そんななか、ローマの政治家で哲学者のセネカは、レンズを使えばものを拡大して見られることに注目しはじめます。そして時が進み、17世紀初頭には、オランダで世界初の実用的な望遠鏡がつくられました。
この望遠鏡を改良し、天体観測に活用したのが「天文学の父」ともいわれるガリレオ・ガリレイです。彼は1609年、2枚のレンズを組み合わせることで、倍率20倍の望遠鏡の製造に成功。これを使って夜空を観測し、木星の衛星や、月面のクレーター、金星の満ち欠け、太陽の黒点などを発見しました。
また、万有引力を発見したことで知られるアイザック・ニュートンも、望遠鏡の改良に着手しています。ガリレオの望遠鏡は屈折式で、観察物が多少ぼやけて見えてしまうという弱点がありました。そこでニュートンは、レンズではなく鏡を使った反射式望遠鏡を発明して、この問題を克服。より高度な天体観測が可能となりました。
ガリレオの望遠鏡

ガリレオが発明した望遠鏡は屈折望遠鏡という。光の色ごとに屈折率が異なるため、焦点距離がそれぞれ変わって像がぼやけるという弱点がある。取り扱いが容易で、もっとも一般的な望遠鏡だった。
ニュートンの望遠鏡

ニュートンが発明した望遠鏡は反射望遠鏡という。主鏡で反射させた光を、さらに副鏡で反射させ、横方向の接眼レンズから見る。現代でも、高性能な望遠鏡はこの方式である。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』監修:渡部 潤一
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 天文学の話』
監修:渡部 潤一
これを読んだら、夜空を見上げずにはいられない!
知れば知るほど面白い、不思議で壮大な“天体”の魅力と楽しみ方をわかりやすく解説!
天文学とは、人類最大の謎とも言える「宇宙ってどうなっているの?」を観測によって解明しようとする研究分野で、最も歴史のある学問の1つです。
本書では、そんな天文学の話の中から、今日から夜空を見上げたくなる天体の雑学、望遠鏡がなくても観測できる星の探し方など、天文学を身近に感じる話題を厳選して掲載します。
「月食って月の満ち欠けと何が違うの?」「金星は星なのに真夜中に見えないのはなぜ?」「冥王星はなぜ惑星から外されたの?」など、意外と答えられない天体の素朴なギモンも解消!
また、「ローマ教皇が阻止したかったガリレオ・ガリレイの“地動説”とは?」といった、天文学を取り巻く学問と宗教の関係や、現在研究されている「宇宙」にたどり着くまでの天才たちの数々の説のウソホントなども解説します。
天文学の魅力と歴史を楽しみながら学べる一冊です。
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