大食いチャンピオンもびっくり!カラスの消費カロリーが異常な件【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


大食い選手権にも出られる食欲です

カラスに限らず、鳥は大食いです。一つには空を飛ぶためにエネルギーがたくさんいること。それから、40度ほどある体温を保つためだけにもエネルギーがいること。そして、体が小さいために体表面から熱が逃げやすいからです。
熱が逃げないように鳥は断熱性の高い羽毛で体を覆っていますが、それでも消費エネルギーは大きく、人間と比べると、はるかに大量のエサを食べなくてはいけません。
ハチドリは1日に自分の体重と同じくらいのエサを食べています。カラスはそこまでではありませんが、1日に必要なエサの量は100~200グラムと見積もられており、体重の20%を超える可能性があります。人間なら1日に10キロ以上食べる計算です。
鳥のもう一つの制約は、空を飛ぶために体を軽くしたいので、大量のエサを腹に入れておくことができない、という点です。胴体もコンパクトなので、ウシのように4つも胃を持ち、のんびり反芻しながら時間をかけて消化するといった手が使えません。草を食べる鳥があまりいないのはそのせいです。
鳥の中で草をよく食べているのはカモやキジの仲間です。彼らはあまり飛ばず、少しくらい体が重くても困らないのでしょう。ヒヨドリも春先の果実がなくなる時期には、消化しやすい野菜や木の若芽を食べていることがあります。
カラスが大食いである理由


●空を飛ぶためのエネルギーが必要
●40度の高い体温を保つため
●空を飛ぶために体を軽く保たねばならず、消化が早い
こんなものも食べられます!
ヒキガエル
背中の皮膚にブフォトキシンという毒がありますが、これを避けるため、裏返して腹のほうから食べてゆき、皮は残します。
毛虫
毒はなくてもチクチクする毛で身を守っていますが、カラスやムクドリは地面に擦り付けて毛を落としてから食べてしまいます。
シキミ(植物)
人間には猛毒で絶対に食べてはいけませんが、なぜか鳥は平気。有毒なエゴノキやヨウシュヤマゴボウも鳥は食べます。
動物の糞
草食獣の糞を食べるのが観察されることがあります。消化しきれなかった飼料を食べているのか、糞虫を食べているのかは不明です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」