こわがってるのは、実は人間だけ? カラスとのすれ違い事情【眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話】


私たち、ふてぶてしいの? 嫌われてるの?

少なくとも現在、カラスの印象はあまりよくありません。とはいえ、これは一時期「カラスが人を襲う!」といったニュースが増えたせいでもあるようなので、常識というわけではありません。まあ、昔から縁起の悪い鳥とは思われていますが。ですが、「ふてぶてしい」については誤解もあります。ちょっと説明しましょう。
あなたが公園でお弁当を食べていたとしましょう。そこに、とんでもなくデカくてヤバそうな、ターミネーターみたいなのが近づいてきたらどうしますか?「え?何?逃げたほうがいい?」と思いますよね?
そこで、ターミネーターが慌てて目をそらして「あ、すいません」という態度を取ったらどうでしょう。「なんだ、何でもなかったのか」と食事に戻りますよね。
これが、毎朝のようにゴミ置場で起こっていることです。カラスがゴミを漁っているとき、人間が近づいてくるとソワソワし始めます(嘘だと思ったら観察してみてください。足を曲げ、反射的に翼を上げて飛び立とうとします)。ところが、人間のほうが「うわ、カラス怖い」と避けて通ると、「なんだ、何もしないのか」とゴミ漁りに戻ります。これが、「人間を怖がりもしないでずうずうしい」と言われるわけです。要するに、お互いに怖がって、しかもお互いに誤解してるんですね。
カラスの一般的なイメージ

増えてる?減ってる? 東京のカラス

個体数を正確に知るのは難しいのですが、東京都によると、都心部のカラスの個体数は減少しています。それ以外の調査でも減少傾向を示しています。あと、まだ少数ですが都心にハシボソガラスが戻ってきています。
※東京都環境局HPより
大阪の中心街は比較的少なめ

全体で見れば個体数が極端に少ないわけではないのですが、中心街はカラスの少ないところです。近年はミナミ、つまり天王寺や難波方面でカラスを見ることが増えているような。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』著:松原 始
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著:松原 始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!
黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。
不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。
「カラスはほんとは怖くない!?」
「読めばよむほど、好きになる!?」
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