古代エジプトを治めた謎多き美女”ネフェルトイティ”とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話】

古代エジプトでは女王も国を治めた

国家の危機に活躍した女王たち

古代エジプトには、女性の統治者も存在しました。第1王朝は、ジェト王の息子デン王が幼かったため、メルネイト王妃が摂政(王の代わりに政務を行う役職)として国を治めます。その墓は他の王墓とともにアビドスに造営され、周囲には4基の殉葬墓が配置されています。第12王朝は、セベクネフェルウ女王が君臨します。アメンエムハト3世の娘でアメンエムハト4世と結婚しますが、子どもがなく、4世の死後、即位します。

第18王朝にはハトシェプストが登場します。トトメス1世の娘でトトメス2世の妻だった彼女は、短命の2世の死後、幼いトトメス3世の摂政となり、やがて即位します。プントへの遠征や、先王たちをしのぐ規模の建築物を造営したことはよく知られています。

そして、第18王朝にはもう一人、有名な女王ネフェルトイティがいます。ネフェルトイティはアクエンアテンの妻で、夫の治世の終わりに、ネフェルネフェルウアテンに改名。共同統治者としてファラオになります

第19王朝は、セティ2世が即位し息子のシプタハが跡を継ぎますが、病弱のために母タウセレトが摂政となります。タウセレトはシリア人の宝庫長官バイの助力を得て実権を握り、シプタハの死後、王位を継承します。古代エジプト最後のプトレマイオス朝は、有名なクレオパトラ7世の死で幕を閉じます。

第18王朝のハトシェプスト女王とネフェルトイティ女王

古代エジプト最後の王・クレオパトラ7世

クレオパトラ7世頭部(ベルリン美術館蔵)

弟のプトレマイオス13世によってパレスチナに追放されても、軍隊を引き連れて帰国し、ローマのカエサルやアントニウスと手を組んで王朝の存続をはかるなど、なかなかの策略家。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話』著:河合 望(エジプト学者・考古学者/筑波大学人文社会系教授)

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 古代エジプトの話』
著:河合 望(エジプト学者・考古学者/筑波大学人文社会系教授)


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