実はビビリ!? “人喰い魚”ピラニアの意外な生態とは【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】

ひとりのときは大人しい

アマゾンなど南アメリカ熱帯地域の河に棲み、凶暴なイメージで知られるピラニア。「ピラニア」とは現地の言葉で「歯のある魚」という意味で、複数の肉食淡水魚の総称です。その名の通り鋭い歯と強靭なあごの力を持ち、ほかの魚はもちろん、河に落ちたひな鳥やネズミなどの小型の哺乳類も食べてしまいます。

集団で生活し、危険な種のピラニアは、ときに馬などの家畜や人間を群れをなして襲うことも。とくに血のにおいや音には敏感で、何尾かが獲物を傷つけると、そのにおいや音などによって群れ全体が狂奔状態となり、まるで水面が盛り上がるほどの勢いで獲物を食い尽くします。そのような姿を見れば、まさに「人喰い魚」の異名にふさわしいと思うことでしょう。

とはいえ、この獰猛なイメージは、映画などの影響で誇張された面があるかもしれません。実はピラニアは、根は臆病な性格の魚なのです。とくに単独でいるときは、極端に強い警戒心を見せます。自分より大きな生き物を察知すると、一目散に逃げ出すほど。そのため、怪我などで出血しているわけではない、生きた人や動物を襲うことは、実際にはめったにないようです。

しかも、ピラニアの祖先は草食の魚だと考えられています。臆病な性格は、その名残りなのかもしれません。

仲間がいないと臆病なピラニア

危険な種のピラニアは、血のにおいに反応し、群れ全体が狂奔状態になって家畜や人間を襲うことも。

一方で根は臆病な性質で、とくに単独でいるときは、極端に警戒心が強い。

ピラニアは草食魚から進化した?

「人喰い魚」として名を馳せるピラニアだが、「パクー」という草食魚を祖先に持ち、巨大な雑食魚「メガピラニア」を経て肉食に進化したとする研究結果がある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん

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食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。

魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。

「最古の魚は5億年前! 魚類の誕生と進化」「魚は何を食べる?」
「カニみそは脳みそではなく、肝臓や膵臓にあたる部位」
「シーラカンスが絶滅しなかったのは、味が激マズだったから!?」
「クジラ界にも「ヒット曲」があり、世界中の海で流行る」などなど
そんな魚のあらゆる疑問や意外な生態、誰かに教えたくなる雑学が詰まった子どもから大人まで幅広く楽しめる一冊です。

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