ノドグロの名前の由来はそのまま“喉が黒いから”!? 水中で生き残るために進化した特徴とは【眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話】

ノドグロの名前の由来はそのまま、喉が黒いから

体色にもそれぞれ意味がある

高級魚として人気のあるノドグロ。水深100~200mに生息する深海魚で、捕獲量が少なく養殖も難しいことから珍重されている魚です。 

このノドグロという呼び名は、実は通称であって、正式名称は「アカムツ」といいます。名前に「ムツ」とつく魚はほかにもいますが、アカムツは魚体全体が赤いため「アカムツ」なのだと考えられます。

通称の「ノドグロ」も、その名の通り喉が黒いことが由来です。外側から見てもわかりづらいのですが、口の中をのぞくと真っ黒。これは決して腐っているわけではなく、深海に棲んでいる生物ゆえの特徴です。ノドグロはイカやエビ、小魚などを捕食しますが、真っ暗な深海で口を開けていても獲物に気づかれないようにするために喉が黒くなっていると考えられます。

また、深海には発光する生き物が多くいますが、それらを捕食したときに喉から内臓にかけて黒い膜で覆われていることで、光が体の外に透けることを防ぎます。これにより自身を捕食する生き物に気づかれることがなく、身を守る手段にもなるのです。

また、体色が赤いのも、海の中では最も速く吸収される色であるため効率よく身を隠せます。色の特徴をいかしながら深海を生き抜く、したたかな魚だといえるでしょう。


ノドグロの喉が黒いのは深海で生きるため

<外敵から身を守るため>
発光生物を捕食したときに、光が体の外に漏れないよう、内臓まで黒い膜で覆われている。

<カモフラージュとして>
口の中が真っ黒なため、真っ暗な深海と同化できて獲物に気づかれにくい。

赤い体色にも意味がある

<効率よく身を隠せる>
「アカムツ」という名前の通り、赤い体色をしているが、赤は海の中で最も早く吸収される色なので、外敵から効率よく身を隠すことができる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』監修:さかなのおにいさん かわちゃん

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 魚の話』
監修:さかなのおにいさん かわちゃん

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食べること、飼うこと、水族館などでの鑑賞など、日本人にとって身近な生物の“魚類”。

魚類は生き物にしては珍しく、大きさや形、色、生息地域もさまざまなので、個体ごとの身体的特徴も大きく変化します。
また、食用としての魚と観賞用としての魚、漁業などのビジネスとしての魚では注目するポイントが異なるため、色んな角度から見ることができる面白い生物です。

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