北海道は巨大大陸だった!? 17世紀ヨーロッパ人が描いた驚きの地図とは【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】


大航海時代に描かれた北海道は測量しきれず『巨大大陸』になった
17世紀の航海家が描いた蝦夷図
15世紀半ばから17世紀半ばにかけて、ヨーロッパの国々は世界中を航海し、新大陸や新しい航路を見つけました。この「大航海時代」に、フランシスコ・ザビエルやルイス・フロイスといったイエズス会の宣教師が日本を訪れ、戦国大名たちと交流しながらキリスト教を広めました。
下の地図は、オランダの航海家デ・フリースが蝦夷地(現在の北海道)を探検した記録をもとに、アムステルダムの地図作家ヤン・ヤンソンが『新地図帳』に掲載したものです。
1643年、デ・フリースは東インド総督の命令でカストリクム号に乗り、太平洋探検の指揮をとりました。彼はサハリン(樺太)の東岸まで航海し、択捉島や得撫島を“発見”。それぞれをスターテン・ラント、コンパニース・ラントと名づけました。
デ・フリースは奥羽北岸からサハリンまでを測量して地図を作りましたが、濃い霧のために宗谷海峡を確認できず、北海道と樺太が地続きで描かれています。
また、得撫島は西海岸しか見られなかったため、地図ではまるで大陸のようになっています。そのほか、朝鮮が島として描かれたり、江戸が日本海側の内陸に描かれたりと、現代から見ると正確でない部分が多いですが、当時のヨーロッパ人にとっては貴重な情報でした。
17世紀に描かれた初めての「蝦夷図」
▼1659年頃出版の『日本および蝦夷図』(近畿大学中央図書館蔵)。右上に得撫島(COMPAGNIESLAND)が大陸のように描かれ、北海道(ESO)は樺太と地続きになっている。また、江戸(Iede)は本州内陸部に描かれている。

▼『間宮氏実測元蝦夷地図』(国立国会図書館蔵)。上の図から約200年後、間宮林蔵の測量記録にもとづき幕府内部で作成されたものとみられる。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』
監修:和田 哲
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