オスが超美味!道民が隠す絶品グルメ“本シシャモ”とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話】


道民が秘密にしたがる超美味グルメ『シシャモのオス』
漁獲が減りつつある高級魚「本シシャモ」
道外でシシャモを食べる場合、卵が入ったメスの「子持ちシシャモ」が主流です。しかし、道民の中でも食にこだわる人たちは、卵を持たないオスのシシャモを好むことが多いです。
実は、道外で食べられているシシャモの多くは「カラフトシシャモ(キャペリン)」という、アイスランドやノルウェー、カナダなどの北東大西洋沿岸の国々で漁獲された輸入品で、北海道産の「本シシャモ」とは別の魚です。
本シシャモは、北海道の太平洋岸にのみ生息する日本固有の魚で、特定の河川(十勝地方の十勝川、釧路地方の茶路川、日高地方の沙流川、胆振地方の鵡川など)に産卵のために遡上します。
本シシャモが河川に遡上するのは10月から11月で、漁もその時期のみ行われます。この時に獲れるメスの子持ちシシャモももちろんおいしいのですが、子持ちのカラフトシシャモに比べると、卵の量は少なめです。
一方、オスは卵に栄養を持っていかれていない分、身が締まっていて脂の乗りもよいため、通の間ではオスのほうが好まれます。
しかし、北海道産の本シシャモは年々漁獲量が減ってきており、近年は高級魚として限られたお店や水揚げされた地域でしか買い求められなくなってきており、価格も「カラフトシシャモ」の3~4倍します。
日本固有種の貴重な魚「本シシャモ」
本シシャモが遡上する主な河川

減少し続ける本シシャモ
本シシャモの漁の大部分は、10月から11月を漁期とする「シシャモこぎ網漁業」で、河川へ遡上するため沿岸に集まってきたシシャモを漁獲します。しかし、近年は漁獲量が激減しており、代表的な産地として知られるむかわ町では資源回復のため、令和5(2023)年、とその翌年に休漁しました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲
【書誌情報】
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