クマは人を恨まない? 執念深く見える理由の真実とは【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマが執念深く人を追うイメージがある理由

クマにとっては「人間」ではなく「食べ物」

「クマは一度狙った相手を、何日も追いかけてくる執念深い動物なのでは?」そんな印象を持たれるきっかけになったのが、1970年、北海道・楽古岳で起きた大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事件です。

この事件では、山中で野営していた学生たちがヒグマと遭遇。最初の襲撃のあと離れたかに見えたヒグマが、何度もテント周辺に戻ってきては襲撃を繰り返し、最終的に3名が命を落とすという深刻な事態となりました。ヒグマは数日にわたって現場周辺にとどまり、学生たちをつけ回すような行動を見せたことから、「クマは人を執念深く追いかける」というイメージが広く知られるようになったのです。

しかし、専門家の間では、この行動は「復讐」や「怒り」といった感情によるものではなく、「食べ物を得られる場所」として記憶し、執着した結果だと分析されています。人間の食料やにおいが残っていたこと、またヒグマが人間に対し恐怖心を抱かない状況にあったことが、要因と考えられているのです。

一般的な野生のクマは、人間を避けて生活し、わざわざ追いかけるような行動を取ることはめったにありません。ただし、空腹であったり、人間の食べ物の味を覚えてしまった個体は、その限りではないでしょう

クマが人を追う主な3つの理由

驚き:至近距離で驚かせたときの反射的追跡
空腹:食べ物を狙った執拗な追跡
警戒:子グマを守るための防衛行動

野生のクマは基本的には人間を避けるとされています。しかし、上記3つのパターンのように、空腹で食べ物の味を覚えてしまった個体、子どもを守るために条件反射で反応してしまった個体、本能や好奇心から結果的に「人を追う」行動を取ることがあります。

かつて起きたクマの事件

● 1970年、北海道日高山脈で福岡大学ワンダーフォーゲル部の学生がキャンプ

● 学生たちがヒグマに襲われて、3名が死亡

● ヒグマは夜間にもテントを襲撃し、学生を執ように追い回した

こうした行動は感情によるものではなく、
テント周辺を「食べ物を得られる場所」として記憶し、執着した結果だと分析されています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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世界中数多くの動物園で飼育され、アニメや漫画、ファンシーキャラクターのモチーフとしても起用されることの多い人気の動物「クマ」。
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物です。

しかし、ペットとして飼うことは難しく、ときに人を襲う恐ろしい側面も持ち合わせるクマ。
それなのになぜ人間にとって馴染み深く身近な存在に感じるのでしょうか。

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