クマの耳は高音に敏感な“音の探知機”! 枝の折れる音まで聞こえる脅威の聴力とは【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】

クマの耳は高音に敏感な”音の探知機”

音を瞬時に聞き分けて、身を守る

 クマといえば鼻がとてもいい動物ですが、実は「耳」も優れた感覚器官です。なかでも特徴的なのが、高周波や低周波の音に対する鋭さ。人間にはほとんど聞こえないような音域でも、クマは正確に聞き分けることができます。

 たとえば、小動物が草を踏んだ音、細い枝が折れる音、葉と葉が擦れるかすかな気配……。クマはこうした自然界の微細な高音をキャッチして、周囲の変化を察知しているのです。

 さらに興味深いのは、クマが「音の種類によって行動を変える」ことができるという点。同じ「カサッ」という音でも、風が葉を揺らした音か、人間が近づいた音かを聞き分けて、逃げる、確認する、無視するなど、状況に応じた反応を選んでいるのです。

 また、クマは高音だけに反応するわけではなく、足音や地面の振動、落下音などの低音も感知します。おおよそ20Hz〜30kHzの範囲を聞き取れるとされ、これは人間の聴力(約20Hz〜20kHz)よりも広いレンジです。

 ただし、行動にもっとも影響を与えるのは、やはり突然の高音や人工的な音。これらはクマにとって”自然ではない異変”として認識され、特に警戒されやすい傾向にあります。だからこそ、森のなかでクマとの距離を保つには、「音の出し方」も非常に大切なポイントです。

クマの耳はとてもよく聞こえる!

クマは小さな音だけでなく、どんな音かも聞き分けられます。カサッという音でも、風が葉を揺らした音か、人間が近づいた音かを聞き分けて、逃げる、確認する、無視するなど、状況に応じた反応を選択しているのです。

クマ:20Hz 〜30kHz

高音も低音も敏感に感知。人間がほとんど聞き取ることができないような音も、しっかり聞き分ける。

人間:20Hz 〜20kHz

クマほど敏感に音をキャッチすることはできない。遠くで鳴った音には気づかないことも。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山﨑晃司

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』
監修:山﨑晃司


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