数学がもっと面白くなる!「+」や「-」が生まれた起源とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

四則計算の記号のルーツを探る

「+」「-」「×」「÷」はいつ頃できたのか

小学校で四則計算を学びます。日常生活で普通に使っている「+」「-」「 ×」「÷」の計算です。これらの記号のおかげで、計算をするのがあまり苦にならなくなり、数学が発展しました。この馴染み深い「+」「-」「 ×」「÷」という記号は、いつ頃から使われてきたものなのでしょうか。色々な説がありますが、ここでは代表的なものを紹介してみます。まず「+」「-」です。

航海をしているとき、船の上では水は貴重です。その水樽の中にどれくらいの分量の水が入っているか、その量の管理をするために水が減り水面が下がると、その箇所に「-」を書いたことから、減ることを意味した記号が「-」となりました。反対に水の量が増えたときには「+」という印をつけたといいます。

この記号を初めて使ったのはドイツの数学者であるヨハネス・ウィッドマンといわれています。1489年、彼の著書である『商業用算術書』の中で登場しています。現在の「+・加算J「-・減算Jという意昧で使ったのは1514年、オランダの数学者、ファンディ・フッケではないかという文献が残っています。

水樽の中の水の量を管理

水樽の中の水の量を管理
水樽の中の水の量を管理
水が増えると「+」と減ると「-」の印を水樽につけたことが「+」「一」の起源

では「×」や「÷」はどうでしょうか。

「×」を乗法として使ったのは、イギリスの数学者、ウィリアム・オートレッドです。キリスト教の十字架を斜めにし、乗法を意昧する記号として考え、著書「数学の鍵J (1631 年)に書いたのが初めてであるといわれています。「÷」はスイスの数学者、ヨハン・ハイリッヒ・ラーンが著書『代数学』 (1659年)の中で、除算の記号として使いました。ちなみに「÷」という記号はヨハン・ハイリッヒ・ラーンが考案した記号ではなく、この著書の編集者であったイギリスの数学者、ジョン・ペルではないか、という説もあります。わり算を分数にしたとき、「÷」の記号の上下の「・」は分母と分子を表しています。(「÷」の記号は世界共通というわけではありません。ドイツでは「:」が使われています)。

四則計算では「=」の記号がなければ数式はなりたちません。この「=」という記号は、イギリスの数学者であるロバート・レコードが「知恵の砥石(といし)』 (1557年)の中で使用し、「2本の平行線ほど等しいものはない」といっています。この意昧から「=」という記号は「等しい」という意昧で使われるようになったのです。

記号「×」「÷」「=」のルーツ

「×」…キリスト教の十字架を斜めにした形を乗法の意味としました
「÷」…ヨハン・ハイリッヒ・ラーン著『代数学』の中で初めて登場しました
「=」… 2本の平行線ほど等しいものはないという意味から登場しました

記号「×」「÷」「=」のルーツ

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


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