「1時間で何km?」からはじまる算数の深い世界【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

算数の数量で知っておきたいポイント

単位量あたりの大きさを理解する

ある程度のケタ数の四則計算が、それほど不自由なくできることは、算数・数学をマスターするために必須です。そして広がりのある算数・数学を学ぶために必要な知識は、抽象的な概念が求められる「単位量あたりの大きさ」です。ここではどのようなことなのか、なぜ重要な学習項目なのかをお伝えしたいと思います。単位量あたりの大きさとは、「1つあたりの大きさ」のことです。具体例を示しましょう。

「Aさんの自動車は 25ℓのガソリンで300km走りました。 Bさんの自動車は15ℓのガソリンで210km走りました。自動車の燃費はどちらが良いといえるでしょう」。自動車を持っていると、1ℓでどのくらい走るかが気になります。この「1ℓあたりで走る道のり(量)」を「単位量あたりの大きさ」、といいます。
私たちは自動車の燃費を、当り前のように計算しています。Aの全体の量は300、いくつ分が25ℓと考えると、等分除のわり算であることがわかります
全体の量÷いくつ分⇒300km÷25ℓ=12km/ℓとなります。このときの単位は「km/ℓ」、どこかで見た単位ですね。この単位を言葉で表現すると「1ℓあたり〇〇km」となります。似たような単位を私たちはいつも目にしているはずです。そう、速さのkm/時という単位です。

「100kmのところを2時間かけて自動車で行きました。自動車の速さを求めなさい」。これは100km÷2時=50km/時となります。「2km²のところに100人の人が住んでいます。人口のこみぐあいを求めなさいJ。これは1km²あたりの人口のことで、人口密度と言います。平均や割合も「単位あたりの大きさ」の概念から考えることができます。

算数の数量で知っておきたいポイント

➩自動車の燃費を調べる
【Aさんの自動車】300km÷25ℓ=12km/ℓ
【Bさんの自動車】210km÷15ℓ=14km/ℓ

Bさんの自動車のほうが燃費がいいことがわかる

日常生活の中でよく「◯/△」というような形の単位を見かけますが、これは「単位あたりの大きさ」のことを表しています!

単位量あたりの大きさをマスターすると、算数の学びが深くなり、いろいろな場面で活用することができます。次のステップに行くための抽象的な思考を養う練習にもなります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』監修:小宮山 博仁

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学』
監修:小宮山 博仁


【Amazonで購入する】

算数や数学は、基本的な考え方さえわかれば、とても簡単で面白い!?
文系人間をはじめ苦手意識の強い小中高の算数と数学をまるごと、一気に学び直す一冊。
大人になった今だからこそら理解できる。
さらに実社会で、日常生活でどんなことに利用、活用、応用されているかを知ると、より身近に感じられ、その必要性がわかる。

本書を読めば、算数・数学が好きになり、「数学的な思考」を手に入れることができる!

この記事のCategory

オススメ記事

「やぎ算」で論理力が爆上がり!? ビジネスにも使える算数の考え方とは【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

数学がもっと面白くなる!「+」や「-」が生まれた起源とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

「できる」と「わかる」の境界線。算数と数学の違いとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

数学がなければ今の生活はなかった!日常を支える「数学の発明者たち」のすごすぎる功績【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

グラフが読めればニュースがわかる!日常にひそむ“算数力”【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

「公式暗記はムダ?」算数が“使える知識”になる超基本ルールとは【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

「公式」じゃなく「考える力」を育てる中学・高校数学の本質【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

図形は身のまわりにあふれてる!算数が教える「カタチの意味」【眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための算数と数学】

インフォテキストが入ります