原因わからぬ「令和の米騒動」 スーパーから米が消えた様々な要因とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 米の話】

“令和の米騒動”はひとつの原因では語れない

どうして米が足りなくなった?

全国のスーパーで米の品薄や価格の高騰が相次ぎ、「米が手に入らない」「価格が高い」といった声がSNS上で広がりはじめたのは2024年の春ごろのこと。店頭から米が消える地域も現れ、「令和の米騒動」と呼ばれる深刻な状況へとつながっていきました。

この混乱は、いくつもの要因が重なって起きたものであり、単一の原因だけでは説明できません。減反政策による供給量の縮小、訪日観光客の急増による外食需要の拡大、さらには2023年の猛暑による収穫量の減少など、複数の背景が指摘されています。

加えて、「米がなくなるらしい」という不安が消費者の間に広まり、家庭での買いだめが急増。一部の業者による買い占めも起こり、米の流通はさらに滞りました。

その結果、価格は一時的に平年の2倍以上にまで高騰しました。そして、政府が備蓄していた古米や古古米を放出する対応に踏み切る事態となったのです。

物流の遅れや生産現場の人手不足、そして買いだめによる連鎖的な消費行動 ─ 。こうした要素が複雑に絡み合い、今回の事態を引き起こしたと考えられています。

結局のところ、「令和の米騒動」の原因は、まだはっきりとはわかっていないのです

混乱の背後にあった事情

① 2023年の猛暑

記録的な高温により白未熟粒や斑点米が大量に発生し、米の品質と収穫量がともに大きく落ち込みました。

② 農政データの不備

生産量の予測に誤差が生じ、調整が後手に回ったことで、需給のミスマッチと混乱が拡大しました。

③「米がない」という不安の拡散

「米がなくなるらしい」という噂がSNSで広がり、不安から家庭では買いだめが広がりました。

④ 一部業者の買い占め

商機を狙って、業者が買い占めに動き、市場から米が一気に姿を消します。

令和の米騒動で米価はどうなった?

全国のスーパーでの米の平均価格は5kgあたり税込み4172円となり、去年の同じ時期の2倍を超える高値を記録しました。

出典●『農林水産省』(2025年3月)

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 米の話』著:トキオ・ナレッジ

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スーパーなどでの米不足、転売、価格高騰などで、ニュースやワイドショーでここ最近毎日のように取り上げられる今いちばんのホットトピック「米」。

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「“令和の米騒動”はひとつの原因では語れない」
「年々減少する米の消費量 それでも起こる米不足」
「備蓄米ってなに? 米に消費期限はないの?」
「外国米が日本市場になかなか入れない理由」
「炊飯器に放置された保温状態の米の消費期限は?」
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