昭和はゴミの分別一切なし!信じられない昭和の衛生観念とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

痰壺に、列車は垂れ流し!? ゆるすぎた衛生ルール
その場しのぎだった衛生環境
「清潔」という概念が、今とはまるで違っていたのが昭和の暮らしです。現代の衛生基準から見ると驚かされる光景が、当時はごく当たり前に受け入れられていました。
駅のホームには痰壺が設置され、乗客が平然と痰を吐き捨てていました。結核の流行もあったため「痰を外に捨てないで」という意味合いで置かれたものでしたが、見た目やにおいは不快で、現代人には信じられない光景でしょう。
鉄道でも清潔ルールはゆるく、長距離列車のトイレは垂れ流し式。線路に直接排泄物を落としていくため、列車が汚れをまき散らしているような状況でした。
また、ゴミの扱いもざっくりしていました。分別は一切なく、家庭ゴミは家の前にあるフタつきの木の箱に詰め、それを回収業者が持っていくしくみでした。やがて木の箱からコンクリート製の箱へ移り、昭和38年(1963年)頃からはプラスチック製のポリバケツが普及します。とはいえ、カラスや野良犬にゴミを荒らされても特に対処はしていませんでした。
つまり、衛生的かどうかよりも、「生活に必要」という感覚が主流だったのです。それが、経済成長や公害を経て環境問題や健康への意識が高まるなかで、ようやくゴミ分別や清潔さへの配慮が制度化されていきました。
信じられない昭和の衛生観念
駅のホームに痰壺を設置
結核による死者が多かった当時、結核菌をまき散らさないよう、公共施設には痰を吐くための痰壺が設置されました。

列車のトイレは垂れ流し式
長距離列車のトイレは垂れ流しが当たり前で、汚水や汚物が線路へと振りまかれる状態でした。

進化してきたゴミ箱と環境への配慮
明治~昭和
フタつきの木の箱にゴミを収納。分別なし、荒らされても気にせず

昭和30年代(1955年~)
木のフタがついたコンクリート製のゴミ箱が普及

昭和38年(1963年)頃
プラスチック製のポリバケツが普及。軽くて丈夫なうえに衛生的

平成以降
ゴミ分別・環境配慮が一般化

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍
今年2025年は昭和元年からちょうど100年の時代ということもあり、テレビでも令和・平成・昭和を比較した番組やニュースが取り上げられることも多く、良くも悪くも自由に満ちた昭和の時代が話題になっています。
本書は実際に昭和を生きた方には懐かしさを感じさせ、平成以降に生まれた方たちには、今は想像もつかないような驚きのトピックを厳選して収録。
「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
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さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる大人から子供まで楽しめる一冊です。
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