国民の6割相当が訪れた大阪万博 未来に熱狂した高度経済成長期の日本の姿とは【眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話】

大阪万博にすべてをかけた 未来に酔った6カ月間

未来的な最新技術を肌で感じた

昭和45年(1970年)に大阪で開催された日本万国博覧会、通称「大阪万博」は、昭和の象徴的イベントとして記憶されています。わずか6カ月間で6400万人以上が来場し、これは当時の日本の人口の半分以上にあたります。会場には地方から団体バスが押し寄せ、家族旅行や修学旅行の目的地としても大人気でした。国民総参加の祭典だったのです。

この大阪万博は、戦後の高度経済成長のピークと重なり、未来への強い期待を映し出しました。会場のシンボル「太陽の塔」の下には、世界各国のパビリオンが並び、月の石や最新技術の展示に人々は長蛇の列をつくりました。また、国内パビリオンに展示された動く歩道、ワイヤレステレホン、地域冷暖房システム……それらは当時の人々に「これからの暮らしはこんなに豊かになる」という夢を与えました。

しかし同時に、この時期の日本では公害問題が顕在化。大阪万博という明るい話題の一方で、環境汚染や都市過密といった経済発展の裏側に注目が集まっていたことも事実です

それでも、大阪万博は昭和の人々に「未来」を具体的に想像させる大きなきっかけとなりました。日本が経済大国としての自信を持ち、技術の進歩を国民の多くが身をもって体感したといえるでしょう。

国民の6割相当が訪れた大阪万博

昭和45年(1970年)の大阪万博は183日間で約6421万人が来場し、日本の高度経済成長を象徴しました。令和7年(2025年)の大阪・関西万博では、184日間で約2902万人が訪れ、半世紀を経てもなお、多くの人が未来への期待を胸に会場を訪れました。

【開催日程】1970年3月15日〜9月13日(183日間)
【テーマ】「人類の進歩と調和」
【入場者数】6421万8770人:( 当時の日本の人口(約1億人)の 6割相当)
【参加国数】77ヵ国
【最多来場者数】一日あたり83万人超

最新技術にあふれた国内パビリオン

日本館や企業館では、未来の暮らしを想像させる革新的な技術が公開されました。

三菱未来館「トラベーター」

動く歩道に乗って5つの部屋を移動。未来都市の新しい移動手段を体験

電気通信館「ワイヤレステレホン」

1人あたり約30分の無料通話を体験。携帯電話の原型ともいえる存在

日本館「リニアモーターカー」

磁力で浮上走行する模型を展示。時速500kmを目指す未来の交通手段

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』監修:町田 忍

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 昭和の話』
監修:町田 忍


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今年2025年は昭和元年からちょうど100年の時代ということもあり、テレビでも令和・平成・昭和を比較した番組やニュースが取り上げられることも多く、良くも悪くも自由に満ちた昭和の時代が話題になっています。

本書は実際に昭和を生きた方には懐かしさを感じさせ、平成以降に生まれた方たちには、今は想像もつかないような驚きのトピックを厳選して収録。

「病院でも映画館でも煙もくもく TPOなど関係ない喫煙事情」
「空前絶後のアイドルブーム 街中みんな同じ髪型」
「導入は平成から 消費税がなかった羨ましすぎる時代」
「テレビは叩けば治る 家電虐待思考」
「子どもには見せられないよ!ゆるすぎる放送基準」
「短足がバレるだけ 何のためにやるかわからない座高測定」
「速く回す、高く飛ぶが正義 スリリングすぎる遊具」
「感動をありがとう アジア初東京オリンピック1964」など

さまざまな世代を越えたコミュニケーションツールになる大人から子供まで楽しめる一冊です。

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