江戸時代には食用にもなった、2012年に絶滅種認定された「川辺のハンター動物」とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話】

河川の整備が進んで住処を失った「ニホンカワウソ」

【ニホンカワウソ DATA】
分類:哺乳類(食肉目イタチ科)  
絶滅時期:更新世後半
生息地:南アメリカ

日本の川から姿を消した水辺の住人

ニホンカワウソは、かつて日本各地の川や海辺に棲んでいたイタチの仲間です。体長は70cmほどで、水中を軽やかに泳ぎ、魚やカニを捕って暮らしていました。その愛らしい姿から、人々に親しまれる存在でしたが、やがて日本の自然とともに静かに姿を消していきます。

江戸時代には「カワウソ料理」として食用にされ、毛皮は防寒具や装飾品に。さらに胆のうは薬として珍重されるなど、人間の生活に深く結びついていました。

明治時代に入ると、毛皮を目的とした乱獲が激化します。さらには、川の護岸工事や農薬の使用による環境の変化が進み、住処となる自然の川辺や浅瀬が次々と失われていきました。カワウソは本来、川岸の根元に穴を掘り、魚の多いきれいな水辺で暮らします。ところが、川がコンクリートで固められ、防波堤や堰がつくられたことで、休む場所や獲物を捕る場所がなくなってしまったのです。

1950年代にはすでに本州や九州の多くの地域で姿が見られなくなり、最後に確実な記録が残っているのは1979年、高知県須崎市での観察です。その後、各地で目撃情報は寄せられたものの、科学的な証拠は得られず、2012年、環境省によって正式に絶滅種に指定されました。

人の暮らしとともに住処が消えた

①江戸時代

川や海辺に多く生息し、カニを食べて生活。毛皮や肉が利用され、人とも深く関わっていました。

②明治時代〜昭和初期

毛皮目的の乱獲や、護岸工事、農薬の使用などで川の自然が失われ、徐々に住処がなくなっていきます。

③1950年代以降から2012年

各地で姿が見られなくなり、2012年に環境省が正式に絶滅種に指定しました。

かつて日本の川を制した小さなハンター

自然の中で自由に暮らすニホンカワウソでしたが、人間の生活が豊かになるほど、カワウソの居場所は減っていきました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』監修:今泉忠明

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 絶滅動物の話』
監修:今泉忠明


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絶滅動物の話!

40億年に及ぶ地球のヒストリー。
その中で繰り返されてきた生き物たちの絶滅。
もはや私たちが出会うことのかなわない彼らのあまりに興味深いエピソードを紹介。

絶滅とは何か。
「弱いから」滅び、「強いから」生き残るわけではない。
なぜ彼らは滅び、また生き残ったのか。

我々人類こそが絶滅の原因だった生き物たちもいる。
発見から30年もたたずに食い尽くされたステラーカイギュウ。
人類が現れるまで無敵だった巨大ナマケモノ、メガテリウム。

あるいは進化の果てに潰えた者たち。
さすがに大きくなりすぎたジャイアントペンギン。
肉食をやめたら生活が合わなかったアルクトテリウム。

環境や競争に敗れた末、絶滅の運命をたどることもある。
たどり着いた最後のすみかが噴火で沈没したオオウミガラス。
クローンで復活するも「2度の絶滅」をしたピレネーアイベックス。

絶滅は過去のできごとではない。
種の断絶が危ぶまれる生き物は、我々が生きるこの世界にも存在する。
トラ、オオサンショウウオ、ヤンバルクイナ、ホッキョクグマといった
絶滅危惧種がそれだ。

絶滅といえばこれ、謎多きニホンオオカミや「最後の1頭」が2012年に死亡したピンタゾウガメも。
触れれば触れるほど知りたくなるもう永遠にいなくなってしまった、いつかはいなくなってしまうかもしれない彼らの物語。
ひょっとすると、人類もいつかは……?

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