見た目以上にたくさんある!飛行機が自由に飛ぶための「さまざまな翼」【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】


自由に飛ぶための「さまざまな翼」
フラップ、エルロン、エレベーター、ラダー
機内で主翼近くの座席に座ると、エンジンのスタートが終了し飛行機が動き出すとすぐ、床下から「ウィーン」という機械音開こえてきます。離陸に際して必要な、フラップと呼ばれる装置を主翼から出している音です。翼の前から少し出ているのが前縁フラップ、 翼の後から垂れ下がって出ているのが後縁フラップです。
そして窓からは、他の飛行機の翼にあるさらに小さな翼が動いているのが見えす。 まず、エルロンと呼ばれる主翼にある補助翼が大きく動いています。 次に、 水平尾翼にあるエレベーター(昇降舵)、続いて、 垂直尾翼にあるラダー(方向舵)が動きます。
離陸に先立って、それら舵面(動翼、または操縦翼面、英語ではコントロール・サーフィス)と呼ばれている、自由に飛ぶための装置をチェックしているのです。フラップを出した後にチェックする理由は、外側にある低速用のエルロンは、フラップを下げると作動するようになっているからです。フラップは離陸時には揚力を、着陸時には揚力と同時に抗力も大きくする装置です。主翼にあるエルロンは左右に傾くことや曲がるために必要な装置です。
そして、水平尾翼にあるエレベーターは機首を上げて、上昇や減速、機首を下げて降下や増速するためにあり、垂直尾翼にあるラダーは、機首を左右に向けるためにあります。
また、主翼は揚力を発生させて飛行機を支える役割の他にも、横方向の安定のためにも必要です。そして水平尾翼は、エレベーターと協力して縦のバランスを保つため、垂直尾翼は、方向安定のための翼です。
飛行機の各部名称
ボーイング777
- 昇降舵(エレベーター)
- 水平尾翼
- 垂直尾翼
- 方向舵(ラダー)
- 主翼
- 後縁フラップ
- 内側補助翼(フラッペロン)
- 外側補助翼(エルロン)
- 前縁フラップ
- スラット
エアバスA330
- 方向舵(ラダー)
- 外側補助翼(エルロン)
- 内側補助翼(エルロン)
- スポイラー
- 後縁フラップ
- スラット
- 昇降舵(エレベーター)
- ウイングレット
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治
「飛行機はなぜ、どうやって空を飛べるのか」という基本から、最新の知識、身近な航空雑学まで、飛行機の魅力をたっぷり図解でわかりやすく教える一冊。
この記事のCategory
オススメ記事

「空の貴婦人」かつてのボーイングと今の飛行機のエンジンでは何が違う?【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

“空を飛ぶメカニズム”揚力の本質を数式から読み解く【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

パイロットの負担を軽減する、飛行を自動制御するデジタルの力【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

巨大エンジンの設計思想 空気を操るターボファンの秘密【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

始動スイッチは2つある? ジェットエンジン始動の仕組みとは【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

巨大ファンが生む推力 少ない燃焼で得られる圧倒的なパワー【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

推力だけじゃない? エンジンが支える飛行機の「4つの力」とは【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】
