飛行機が離陸するときの雑学!エンジンのスタート順にはルールがある!【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

いよいよエンジンスタート! 〜スタートは右側のエンジンから〜

すべてのドアが閉まると、 いよいよエンジン・スタートです。ほとんどの飛行機は、右側のエンジンからスタートします。飛行機は進行方向に向かって左側から番号をつける習慣があります。なぜ右側のエンジンからスタートするのかといえば、左側から搭乗するからです。原則的にはすべてのドアが閉まってからスタートしますが、何らかの理由で左側のドアを開けたままスタートすることを考えた場合に、ドアからもっとも離れたエンジンからスタートしたほうが安全だからです。

しかし必ずしも右側からスタートするわけでもありません。例えば左エンジンのスターターを交換し、その調子を見たい場合には左エンジンから(もちろんすべてのドアが閉まってから) スタートすることもあります。また、エアライン(例えばエアバスA330を使用しているエアライン)によっては、左側のエンジンからスタートしています。

スタート前のチェックリストを実施し、地上にいる整備士によって安全が確認されたら、スタート開始です。胴体の上下でピカッと赤く光るビーコンライトと呼ばれる閃光灯が点灯するので、サテライトからでもスタート開始がわかります。ところで飛行機は自分自身の力でバックすることが基本的にはできません。

絶対にバックできないわけではなく、エンジンを逆噴射することによってバック し、自力でスポットから出るエアラインもあります(外国の場合)。 バックができない飛行機をスポットから押し出すことをプッシュバックといい、その役目するのがトーイングカー(牽引車)という力持ちの自動車です。

プッシュバック

管制官「プッシュバック・アプルーブ。ランウエイ 34L」
操縦席「グランドさん、コックピット。プッシュバックお願いします。ノーズ(機首)はサウス(南)。パーキングブレーキ・リリースします」
整備士「ノーズ・サウス、了解しました。パーキングブレーキ・リリース。プッシュバック開始します」
操縦席「No2 エンジンスタートよろしいですか」
整備士「No2 エンジンスタート OK です」
操縦席「No1エンジンスタートよろしいですか」
整備士「No1エンジンスタート OK です」
整備士「プッシュバック完了しました。パーキングブレーキ・オンお願いします」
操縦席「了解、パーキングブレーキ・オン。エンジンスタート、ノーマルでした。オール・グランド・イクイップメント・ディスコネクト」
整備士「了解しました。ディスコネクト完了です。行ってらっしゃい!」

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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