「中性脂肪」が高い人の血液はザラザラタイプ【図解 血管・血液の話】
血小板がくっついてザラメ状に!
私たちが食べたものは体を動かすエネルギーとなって消費されますが、余ると中性脂肪(皮下脂肪や内臓脂肪といった体脂肪)として体内に蓄えられます。つまり、中性脂肪がたまりすぎると肥満や脂肪肝を招いてしまうのです。この中性脂肪の数値が高い人、脂肪肝と診断された人の血液は、ほぼ間違いなく「ザラザラタイプ」です。
「ザラザラ」とはどういった状態なのかというと、無数の血小板がくっついて塊になり、ザラメをまぶしたおせんべいの表面のようになっています。そんなふうにゴツゴツした血液の状態では、血管の壁に引っかかったり傷をつけたりして、血管の老化を早めてしまうのは明らかです。
ザラザラタイプは、血小板が粘っこくなってくっつき合うことから始まります。その原因が中性脂肪。血液中に中性脂肪が増えると、中性脂肪の燃えカスで赤血球の膜をもろくする物質(レムナント)も増加。そのため赤血球の膜が壊れやすくなり、血管壁にあたってはじけます。すると中からADP(アデノシン二リン酸)という物質が放出されます。この物質が血小板を粘っこくして塊ができやすい状態にしてしまうのです。
中性脂肪は、健診の数値が基準値内の人でも、前日の飲酒などで急激に上がり、血液がザラザラタイプに豹変(ひょうへん)します。これが頻繁に起こると慢性化するので、早めに対策しておきましょう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
著者:栗原 毅 栗原丈徳
著者プロフィール
栗原 毅:1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。
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公開日:2024.09.06