血液検査で異常なしでも血液は汚れている【図解 血管・血液の話】
「未病」のうちに血液をリセットしよう
自分の血液がきれいかどうかは、血液検査の数値だけではわかりません。体がだるい、疲れやすい、肩がこるなど、病院で調べても悪いところは見つからないのに何となく不調が続く。そんな方は多いのではないでしょうか。原因不明のその症状は、血液が汚れているせいかもしれません。
以前、私は東京女子医科大学附属成人医学センターに「血液サラサラ外来」を開院し、受診した約3000人の血液検査データと、血液の流れを測定したデータを比較研究したことがあります。興味深いことに、血液検査の数値は正常でも、血液の流れが悪いケースが多数存在しました。つまり、血液の汚れは相当悪化してからでないと数値には表れない可能性があるのです。ただし、原因不明の不調として症状には表れます。
「中医学」と呼ばれる中国の医学では、このような体の状態を「未病」といいます。「病気ではないが、健康でもない」状態で、放っておくと深刻な病に発展すると考えられています。そして、その原因が汚れた血液=「瘀血(おけつ)」なのです。血液検査の数値が正常なのに血流が悪い人の血液はまさに瘀血の状態で、原因不明の不調は未病の症状だといえます。冷えやむくみ、肩こり、肌荒れ、生理痛などの症状は、すべて未病のサインである可能性があります。生活習慣を見直し、未病のうちに汚れた血液を改善することが大切です。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 血管・血液の話』
著者:栗原 毅 栗原丈徳
著者プロフィール
栗原 毅:1951年新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。
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日々の乱れた食生活や運動不足、肥満などをはじめ、さまざまな原因でドロドロになってしまう血液。「なんとなくダルい」「寝ても疲れが取れない」「むくみや冷えにずっと悩んでいる」などを感じている人は、血液の状態が悪くなっている可能性も。そのままの状態にしておくと動脈硬化になり脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めたり、血流が悪くなることで認知症などにも影響を及ぼすと言われています。人生100年時代と言われる昨今、大病せずに健康寿命を全うするためには、血液をサラサラに保っておくことが中高年以降は必須です。本書では肝臓専門医で『血液』の専門家でもある著者による、血管と強くして血液をサラサラに保つ簡単な方法をこれだけやっておけば大丈夫、という厳選したメソッドで紹介します。『血液をきれいにする歯磨き』『酢トマトを食べる』など誰でも簡単にできて効果絶大なものばかり。血圧、中性脂肪などが高い方をはじめ、いつまでも病気知らずで若々しくいたい方など、あらゆる人に読んでいただきたい一冊です。
公開日:2024.09.14