ご飯や散歩を期待している?
犬と人間、犬と犬同士が視線をあわせると緊張状態が高まります。そのため、犬が飼い主を厳しい目でにらみつけることはまずありません。もしあったとしたら、それは犬が飼い主の地位を自分より下と考えているか、ケンカを売っている証拠です。
しかし、穏やかな表情で飼い主を見つめているときには別な意味があります。このとき犬は、何かを訴えているのです。
もし口に遊び道具をくわえていたら「遊んで」、エサ入れをくわえていたら「そろそろご飯をちょうだい」、リードや飼い主の靴をくわえてきたら、「お散歩に連れて行って」、そして、元気なく上目づかいに見上げているときは「体調がよくないんです」と伝えようとしているのです。
「アイコンタクト」という言葉があります。これは、相手の反応を期待して用いられる視線で、正式な心理学用語にもなっています。
しかし、これは人間と人間の間だけのものではありません。犬も何かを期待して、あなたに向かってアイコンタクトをしてきているのです。それに反応できるかどうかはあなた次第。犬の気持ちを理解できるように、ふだんから努力してみてください。
ちなみに、人の目には感情がよく表れるといいますが、これは犬でも同じ。犬の感情を読み取るときのポイントは瞳孔の大小と白目の色です。
動物が興奮すると、アドレナリンという物質が血中に急増し、心拍数の増加や血圧上昇、瞳孔散大などが起きます。つまり、瞳孔が大きくなっていたり、白目がふだんより血走っているときは興奮状態ということ。こんな目で見つめられていたら要注意です。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
ペットとして広く愛される愛犬は、今や家族ともいえる存在。本書は、日常の表情やしぐさ、行動のクセなどから知ることのできる「本当の犬の気持ち」をイラストと文章で解説。カリスマ訓練士の実践的なアドバイスが得られ、イヌの関する役立つ豆知識が満載。これであなたも犬と本当の付き合いができるようになる!
公開日:2021.12.11