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アマテラスの誕生②/イザナキノミコトがスサノオノミコトに海原の統治を委任した結果、起こった出来事とは?【古事記】

Text:吉田敦彦

イザナキから三貴子が生まれる

「私はたくさんの子を生んだが、最後に、三柱の貴い子(三貴子=みはしらのうずのみこ)を得ることができた」

イザナキノミコトはそういってたいそう喜び、すぐさま自分がかけていた首飾りを外しました。そして、

「おまえは高天の原を治めなさい」

といい、アマテラスオオミカミに授けました。この首飾りの名をミクラタナノカミ(御倉板挙の神)といいます。ついで、ツクヨミノミコトには夜の国を、タケハヤスサノオノミコト(以下、スサノオノミコト)には、海原の統治を委任しました。

ところが、スサノオノミコトは統治を任せられた海原へ行こうともせず、あごひげが伸びて胸元に届くようになっても、泣きわめいてばかりいました。青々とした山を枯らし、海や川がことごとく干上がってしまう泣き様です。

これにより悪しき神が一斉に目を覚まし、妖鬼悪霊の騒ぐ声が世のすみずみにまで響きわたり、葦原の中つ国にあらゆる災いが起こりました。

イザナキノミコトの禊から生まれた神々『眠れなくなるほど面白い 図解 古事記』

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古事記』
監修:吉田敦彦  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1934年、東京都生まれ。東京大学大学院西洋古典学専攻課程修了。フランス国立科学研究所研究員、成蹊大学文学部教授、学習院大学文学部日本語日本文学科教授を経て、同大学名誉教授。専門は、日本神話とギリシャ神話を中心とした神話の比較研究。主な著書は、『日本神話の源流』(講談社)、『日本の神話』『日本人の女神信仰』(以上、青土社)、『ギリシャ文化の深層』(国文社)など多数。


古典として時代を超え読み継がれている『古事記』。「八岐大蛇」、「因幡の白兎」など誰もが聞いたことがある物語への興味から、また、「国生み」「天孫降臨」「ヤマトタケルの遠征」など、壮大なスケールで繰り広げられると神々の物語の魅力から、最近では若い層にも人気が広まっている。本書は神話・物語を厳選して収録し、豊富な図と魅力的なイラストで名場面や人物像を詳解した、『古事記』の魅力を凝縮した一冊!

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