2024年にNISAのしくみが一新！今までの積み立てNISAと何が違う？【ほったらかしで3000万円貯める！お金と投資の超入門】

２０２４年にＮＩＳＡのしくみが一新！

ＮＩＳＡには、つみたてＮＩＳＡ以外に一般ＮＩＳＡ、ジュニアＮＩＳＡという制度があります。このうち一般ＮＩＳＡについては、２０２４年に「新・ＮＩＳＡ」に生まれ変わります。新・ＮＩＳＡは２階建ての構造で、原則として、まず１階部分で年間20万円の積み立て投資を行ない、そのうえで２階部分で年１０２万円を上限とした個別株の投資が可能になります。

●１階と２階で扱いが異なる
つみたてＮＩＳＡをはじめ、ＮＩＳＡにもデメリットがあります。他の投資との損益通算や翌年以降の損失の繰越控除ができないことが大きな弱点です。つまり、他の投資の損益とお互いに消し合うことができず、翌年に損を持ち越して利益が出たときに税金を安くすることもできないということです。

この１階部分と２階部分ではどう扱いが異なるか、『2024年から始まる2階建ての「新・NISA」』の図に示しました。すでに投資経験のある人はそのことを届け出れば１階部分の積み立て投資は免除されますが、その場合に投資できるのは個別株のみです。２階部分で投資信託のほか、日経平均株価やＴＯＰＩＸ（東証株価指数）などに連動するように運用されているＥＴＦ（上場投資信託）などに投資をしたい場合は、１階部分も使う必要があります。新・ＮＩＳＡの非課税期間は５年間ですが、積み立ての１階部分は５年経過後につみたてＮＩＳＡにロールオーバーできます。

このため、５年経過後に積み立ての１階部分をつみたてＮＩＳＡにロールオーバーし、新・ＮＩＳＡからつみたてＮＩＳＡに変更することで、最大25年間積み立て投資ができることになります。新・ＮＩＳＡの積み立て投資（１階部分）の枠は年間2万円と少ないので、それ以上投資できる人は最初からつみたてＮＩＳＡを利用するほうが有利です。一方、「当初の５年間はわずかしか投資できないが、なるべく長く投資を続けたい」という人では、こうした方法を選択する手もあります。

【出典】『ほったらかしで3000万円貯める！ お金と投資の超入門』
監修：坂本綾子/ファイナンシャルプランナー（日本FP 協会認定CFP Ⓡ） 日本文芸社刊

監修者プロフィール
明治大学在学中より、雑誌の編集に携わり、卒業後にフリーランスの雑誌記者として独立。1988 年より女性誌、マネー誌にて、お金の記事を執筆。1999年にファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立し、執筆に加えて、家計相談やセミナー講師も行なう。2012 年よりフォスター・フォーラム（良質な金融商品を育てる会）の活動に参加、消費者教育を担当。近著に『年収200 万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください！』（SB クリエイティブ）、『まだ間に合う！ 50 歳からのお金の基本』（エムディエヌコーポレーション）、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』（朝日新聞出版）などがある。