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町を救おうとしたアブラハム【聖書】

Text:渋谷伸博

悪徳の町・ソドムとゴモラに下された神の鉄槌

ノアの息子セトの子孫からアブラハムが生まれました。

アブラハムはもともとアブラムという名前でした。名前を変えたのは神の指示によるものでした。神は堅固な信仰心をもつ彼を「多くの国民の父とする」と*召命(しょうめい)したからです。 

アブラハムは神の命により長い旅に出ました。

アブラハムは当初、甥(おい)のロトを伴っていたのですが、互いに財産も増えたので別の土地で暮らすことにしました。アブラハムはカナン(パレスチナの古称)の地で、ロトはヨルダン川流域の低地で暮らすことにしました。

この低地にはソドムとゴモラというとても栄えていた町があり、悪徳がはびこっていました。その悪名は神にまで届いていたのです。

神はその実態を確かめ、事実であれば町を滅ぼしてしまおうと考えられ、天使を派遣しました。

 

天使がソドムに向かっていることに気づいたアブラハムは天使を歓待し、ソドムに移り住んだロトのために執(と)り成(な)しをしました。そして、町に10人でも正しい者がいたら町を滅ぼさないという約束を得たのでした。

しかし、ソドムで正しい人はロトの家族だけでした。それどころか町の人々はロトの屋敷に留まった天使を差し出せと迫ったのです。

天使はロトに、ソドムとゴモラを滅ぼすから妻と2人の娘を連れて逃げるよう言いました。

ロトが逃げるのを待って神は、ソドムとゴモラに硫黄の火を降らせて滅ぼしました。

ロトの妻は禁を破って振り返ったため、塩の柱になってしまいました。神は神の意志を拒否する者には容赦(ようしゃ)されないのです。

用語解説 *召命 このように神が人に特別な使命を与えることを召命という。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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