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新約聖書とは?【聖書】

Text:渋谷伸博

成立 イエスとの出会いの感動から生まれた世界宗教

新約(しんやく)聖書、あるいはキリスト教の始まりは、イエスという驚くべき〝人物〞と人々が出会ったことにあることは疑いありません。その教えや、その生と死、復活を知った者たちは、「いったい、この方はどういう方なのだろう」(マタイ8:27)と思ったことでしょう。

その感動を人々に伝え、後世に残すべく、イエスとその弟子たちの言動を記録したり、手紙にしたためたりしたのが新約聖書の始まりでした。

 

彼らはイエスの受難と復活をエレミヤの預言にある神との新しい契約(エレミヤ書31:31)と考えたため、その記録は新約聖書と呼ばれるようになりました。

新約聖書はヘブライ語ではなくギリシア語で書かれました。最初に書かれたのは「ローマの信徒への手紙」などのパウロの手紙で、50年頃のものだとされます。福音書(ふくいんしょ)ではマルコによる福音書が一番古く、ヨハネによる福音書が最後に成立したと考えられています。なお、使徒言行録はもともとルカによる福音書と一体のものだったようです。

当初は地域によって異なった「聖書」が使われていましたが、397年のカルタゴ会議で27の書物が正典として認められました。

舞台 使徒がヨーロッパへと広げた新たな信仰

イエスが活動した地域は、ガリラヤ湖周辺とエルサレム周辺に限定されており、アブラハムなどの旧約聖書の人物に比べて狭い範囲にとどまっています。

これに対して弟子の使徒(しと)たちは、トルコ、ギリシア、ローマへと足を伸ばしており、広域に及んでいます。これは異邦人・異教徒への布教も重要視されたからで、彼らの活動のおかげでキリスト教は世界中に知られるようになったのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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