欧米と東洋では、自己観に違いがある
アメリカをはじめとする欧米人と、日本を含む東アジア人では、その文化に違いがあることがわかっています。中でも顕著なのが「文化的自己観」です。
欧米に広く共有されているのは、「相互独立的自己観」とされます。これは、「自分は他者から独立した存在である」という考えがベースになっており、例えば何か成果をあげたとしても、それは周囲の影響ではなく、あくまでも自分の中にある能力のおかげであると考えるものです。自分をカテゴリー化するときも、「陽気な私」「勉強のできる自分」などというように、自分の内的属性が使われます。
一方、東アジアで共有される「相互協調的自己観」では、「人は、他者やまわりの物事との関係性があって初めて存在する」と考えられ、何か成果があがったときも、「周囲の協力や励ましがあったから成し遂げられた」というような考え方をし、カテゴリー化では、「〇〇大学の私」や、「友人の前では明るい自分」というように、関わっている人間関係そのものや、他者との関係性を表すことが多くなります。
それぞれの特徴は、個人の意思決定が重視される牧畜文化と互いの協力を必要とする農耕文化、キリスト教と仏教や儒教の考え方の違いなどから生まれてきたと考えられています。もうひとつ特徴的なものとして、分析的思考と包括的思考の違いが挙げられます。欧米人が物事自体の特徴に注目する分析的思考であるのに対し、東アジア人は、物事とその周囲の関わりに注目する包括的思考であると言われています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也
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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?
日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。
この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。
明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう
この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした
ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。
会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也
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公開日:2022.11.22