2年目のシーズン、B2昇格が期待される徳島ガンバロウズのアシスタントコーチ、ダニエル・キム!
NBA挑戦中の河村勇輝選手(メンフィス・グリズリーズ)の活躍や、パリ五輪での日本代表の奮闘など、日本の「バスケ熱」が高まっています。国内プロバスケットボールリーグ・Bリーグも同様で、開幕9シーズン目を迎えた今季はB1人気クラブの主催試合チケットがプレミア化するなど、その人気は右肩上がり。こういった流れは1部に該当するB1のみならず、B2、B3にも波及しています。
『ラブすぽ』では今回、現在B3を舞台に戦う徳島ガンバロウズに取材を慣行! Bリーグ初参入となった昨シーズン、いきなりレギュラーシーズン5位でプレーオフに進出する快挙を達成したクラブでもある徳島から、チームを支えるアシスタントコーチ、ダニエル・キム氏のインタビューをお届けします!
【全2回の第1回】
――キムさんはこれまでオーストラリア、ケニア、台湾など海外で指導者経験を積まれてこられましたが、日本に来られた経緯を教えてください。
キム 昨シーズン、以前から親交のあったデマーカス・ベリーHCが就任された際に、「新しいチームの力になってほしい」と声をかけて頂いたのがキッカケです。個人的にも私の父、そして祖父が過去に日本で仕事をしていた経験があり、家族代々、日本という国と縁があったんです。それも決め手のひとつになりました。
――ベリーHCとはどういう関係だったのでしょう?
キム 2016年にシドニーのセントジョージ・ドラゴンズというチームでデマーカスさんがコーチをされていて、私が選手としてトライアウトを受けたんです。その時、入団はかなわなかったのですが、デマーカスさんから「君のバスケ能力、バスケIQの高さはコーチに向いている」という言葉をもらい、プロのコーチとして活動していくキッカケをもらいました。その2年後には、違うチームでともに戦う経験も出来ました。以降も情報交換をするなど、関係を深めていたんです。
――キムさんが指導者になったキッカケを作ってくれたのがベリーHCだった。
キム その通りです。彼の言葉が大きなキッカケ、そして自信と勇気を与えてくれました。
――キムさんは現在、徳島ガンバロウズというチームでベリーHCのもと、アシスタントコーチを務めているわけですが、チーム内ではどんな役割を担っているのでしょうか。
キム 日本という地でまた、ベリーさんと一緒に力を合わせてやれるのはとても光栄ですし、うれしいことです。チームのリードアシスタントコーチとしてHCを支える――ひとりでは見切れない部分をカバーすることが自分の役割だと思っています。
――これまでも海外での指導経験をお持ちのキムACから見て、現在の日本バスケ界のレベルや盛り上がりをどう感じていますか?
キム 日本のバスケというのは他の国とはスタイルが違います。サイズの違いやフィジカルの違いがスタイルの差を生んでいると思うのですが、レベル自体は年々向上していると感じています。Bリーグ自体も大きくレベルアップしていて、その要因のひとつには「コーチング」があると思っています。海外から多くの外国籍コーチがBリーグにやってきて、海外のスタイルを日本に持ち込んだり、選手の質やレベルに合わせた新たなスタイルを確立している。もちろん、コーチだけでなく多くの外国籍選手がBリーグに加入し、活性化している。それが同時に日本人選手のレベル向上にも大きな影響を与えていると感じています。
――今シーズンに関して言うと、ガンバロウズは故障者も出たり、なかなかベストパフォーマンスを発揮できていないと思うのですが、これからシーズン後半に向けてはどんな展望をお持ちですか。
キム 昨シーズンと比較すると確かに苦しいスタートを切っているのは間違いありません。ただ、昨シーズンは良い形でシーズンを始められましたが、「ピークがやや早過ぎた」と言っていいくらいの状況で後半戦は勝率5割前後と苦しい戦いを強いられました(※16勝6敗でスタートした後は勝率5割でプレーオフ出場もセミファイナルで敗退)。今シーズンは故障者などもあって良いスタートは切れませんでしたが、これから主力選手も復帰して、メンバーがそろって新たな選手も加わったので、昨シーズンとは逆に尻上がりに調子を上げて一番大切なシーズン終盤、プレーオフにベストな状態で臨めることを望んでいます。
【第2回へ続く】
写真・徳島ガンバロウズ提供
文・花田 雪
公開日:2024.12.30