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大量殺人の中でも動機が理解困難な「無差別大量殺人」の共通したパターンとは?【図解 犯罪心理学】

Text:監修:越智啓太

無差別大量殺人の共通点とは?【図解 犯罪心理学】

挫折や絶望がきっかけになる

大量殺人の中でも「無差別大量殺人」は、動機が理解困難で社会的にも大きな不安を引き起こすものです。しかし、その内容を分析してみると、ある共通したパターンがあることがわかってきました。

まず、犯人は生活がうまくいっておらず、挫折や絶望感を抱いています。そして、その原因は自分にあるのではなく、別の何者かが悪いと考えます。これは個人だけではなく、その人物が所属する会社や集団に向けられます。

次に、犯人は自分には生きる価値はないと考えています。自殺も考えていることでしょう。ただ、自分が死ぬのであればその原因を作った相手をできるだけ多く殺してからにしようという考えに至るのです。

目的は相手をできるだけ多く殺害することですから、効率よく殺傷できるように武器などを入手します。そして、自分の訴えが世間に届くよう、犯行声明や遺書や日記などで自分の行為を正当化するメッセージを残すのです。

犯人の最終目的は自分も死ぬことなので、犯行後は自殺を図るか、逮捕された場合でも死刑を望みます。自分が誰であるかを隠すことはせず、逃走することも考えません。

無差別大量殺人は、このような経緯で行われることが多いのです。

無差別大量殺人の共通点とは?【図解 犯罪心理学】

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』
監修:越智啓太
監修者プロフィール
法政大学文学部心理学科教授。1965年、神奈川県横浜市生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科心理学専攻修了。警視庁科学捜査研究所研究員、東京家政大学文学部助教授、法政大学文学部准教授を経て2008年より現職。臨床心理士。専門は犯罪捜査への心理学の応用。著書に『犯罪捜査の心理学』(化学同人)、『ケースで学ぶ犯罪心理学』(北大路書房)ほか多数。

 昨今、様々な事件や特殊詐欺など凶悪な犯罪が増えており、ニュースで犯罪に関する情報を聞かない日はないといえます。誰もが利用するSNSを介した犯罪も当たり前になっており、より巧妙化しながら身近に潜む問題にもなっています。こうした問題や実態について研究し、犯罪予防や再犯防止に役立てようとするのが『犯罪心理学』です。
 犯罪心理学は、心理学の中でも実際の現場や実践に役立つことを目的とした“応用心理学”の1つで、特に犯罪行動・非行や犯罪者の心理・行動パターンに焦点を当てた研究分野です。専門書や教科書が多いジャンルですが、本書では図やイラストを用いて、1トピックを見開き1ページでわかりやすく解説。
“普通の人”が犯罪に手を出してしまう経緯、犯行内容から見える犯人像や周囲の環境、巧妙化する手口や防犯法など、知らなかった犯罪心理学を、楽しみながらもしっかりと学べる一冊です。

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