葬儀内容を決める
葬儀社との打ち合わせ
遺体の安置後、葬儀社と2度目の打ち合わせを行い、葬儀内容を詰めていきます。
葬儀社が式場と火葬場に問い合わせ、日時のあたりをつけます。遺族は宗教者に連絡して問題がなければ、次に内容を話し合います。遺族の要望があれば伝え、予算内でよりよいプランを選択していきます。葬儀内容を詰めたら、すぐに見積書を作成してもらい、予算・内容が合っているかを確認します。
葬儀社との話し合いでの注意点
葬儀社とのトラブルで多いのは、葬儀内容とその請求額です。後で問題を追及しても手遅れなので、打ち合わせの段階で不明点を解消し、お葬式に臨みたいものです。
とはいえ、大切な人を亡くした精神的な問題や体力の消耗、時間不足の焦りから冷静に判断できないこともあるので、打ち合わせは複数人で立ち会い、行いましょう。お布施や追加・変動費用を除いた見積もりを用意してもらうことをお勧めします。
内容と見積もりの検討・確認
葬儀社の施行プランはたいていセット料金で設定されています。セットに含まれる品目には各社独自の考えがあり、各費用の呼び名やセット名もさまざまです。火葬料金が含まれる場合もあれば、棺が除かれている場合もあるため、セット料金で葬儀社を比較することは難しいのが現状です。
希望する施行プランの見積もりを取ったらセットに何が含まれるかを確認します。変動する費用、追加が予想される品目もあるので、見積もりを精査し、不明点は担当者に説明を受けましょう。
お葬式にかかる費用の目安
葬儀社に支払う料金に、お布施やお車代など宗教者への支払いを足した金額が葬儀費用の総額となります。当然費用には地域や規模などに差があるため、50万円以下~300万円超えとなっており、平均すると全国平均約160万円という結果となっています(「第12回葬儀に関するアンケート調査報告書」(日本消費者協会刊2022年3月)。
見積書の見方
葬儀費用の明瞭化が強く要望されている近年は、一般の人にもわかりやすい見積書を作成し、担当者がていねいに説明する葬儀社も多くなってきました。しかし葬儀社によって書式や項目名などの表示が異なるため比較検討が難しいようです。事前にお葬式にまつわる費用について理解を深めておきましょう。
見積書の例(都内の民営の総合斎場で葬儀・火葬を行う場合
1 セット料金を利用する場合、品名項目ごとの単価が空白(金額が不詳)になっているのが一般的。セットの場合、一部の品名を不要にしても料金は変わらない。
2 いわゆる「オプション」にあたる部分。遺族の要望で追加が見込まれ、また会葬者の人数によっても変動する。
3 葬儀社によっては立替費用を実費として総額に含めない場合もあるので注意。
【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年
【書籍情報】
『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』
著:奥田 周年
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公開日:2024.09.10