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臼井麗香が”黄金世代”14人目のツアー優勝!

Text:村木俊昭

5年前に惜敗した大会でリベンジを果たす

2024年日本女子ツアー第4戦のアクサレディス in MIYAZAKI(3月22日~24日、宮崎県・UMKカントリークラブ)は、降雨によるコースコンディション不良のため、最終ラウンドが中止に。
前日、単独トップに立っていた臼井麗香がツアー初優勝を果たした。

宝塚歌劇団を目指し、3歳からクラシックバレエ、ジャズダンス、ボイストレーニングなどを習っていた臼井。優勝シーンもタカラヅカのように、観客が待ち受ける18番グリーンという舞台に登壇していくイメージを抱いていたという。

実際は、ギャラリーのいないクラブハウス内で最終ラウンド中止のアナウンスを聞いて勝利を知るのだが、それでも嬉し涙を流して喜んだ。

19年のこの大会では第2ラウンドを終えて首位と4打差の2位タイにつけ、最終日を最終組でスタート。そのときは73とスコアを落とし6位タイに終わったが、5年越しのリベンジを果たすことができた。

臼井が生まれた1998年度生まれの”黄金世代”は、勝みなみ、畑岡奈紗、新垣比菜、大里桃子、河本結、渋野日向子、原英莉花、小祝さくら、浅井咲希、植竹希望、高橋彩華、吉本ひかる、小滝水音と13人の優勝者を輩出。臼井が14人目となった。

20−21年シーズンに初シード獲得

臼井は98年12月7日に栃木県で生まれた。祖父の影響で9歳からゴルフを始め、2014年に栃木県女子オープンや栃木県ジュニアゴルフ選手権で優勝するなど、県内のトップジュニアとして活躍する。

17年のプロテストは失敗するも、翌年、受験2回目で合格。
同年のQTは65位に終わったが、先述したアクサレディス in MIYAZAKI6位タイなどでリランキングの順位を上げ、19年は27試合に出場。賞金ランキング59位とシードまであと一歩に迫った。

20-21年シーズンでは、21年に入ってTポイント×ENEOSゴルフトーナメント5位タイ(3月)、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ2位タイ(5月)、大東建託・いい部屋ネットレディス2位タイ(7月)、CAT Ladies6位タイ(8月)と好成績を重ねる。そして賞金ランキング45位、メルセデス・ランキング44位で待望の初シードを獲得した。

主催者推薦&今季初出場で戴冠

だが、シード選手として臨んだ22年は34試合に出場し、11試合連続など計27試合もの予選落ちを繰り返した。同年にスタートしたシードのカテゴリー、メルセデス・ランキングは115位と低迷し、1年でシードを喪失。

その原因は、勝てなかった前年の2位タイ2回にあった。1位との差を痛感し、スイング改造に着手する。
方向性重視型から飛距離を求めるスタイルへのシフトを試みるも、ボールの左右へのバラツキに苦しむ。曲がりを抑えようとして振れなくなり、結果的に飛距離を20ヤードほど落としてしまった。
思うような球が打てず、この頃は「やめたい」と泣きながら毎週練習していたという。

23年も出場14試合のうち予選通過はわずか2試合に終わり、メルセデス・ランキング134位とさらに順位を下げる。望みを託したQTも60位と振るわなかった。

そこでこのオフは、土台である体を鍛え直そうと肉体改造に取り組んだ。
ウェートトレーニングの回数を増やすとともに、「食べた瞬間に寝る」を励行し4キロの増量に成功。
「球の重みが違う。体ができたことでミスの幅も減っている」
自信を取り戻した臼井は、人生MAXという51キロで今シーズンを迎えた。

そして、主催者推薦で出場した自身今季ツアー初戦のアクサレディス in MIYAZAKIで、いきなり優勝という最高の結果を出した。
デビューから7年目、通算123試合目での初勝利。昨年の山内日菜子に続く、主催者推薦による出場での勝利は史上5人目の快挙だ。

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