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ゴルフ上達に重要な上手くなる為の体のパーツの使い方とは?【「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく/阿河徹】

Text:阿河徹

体の各パーツの動きから見たスイングの設計図

以前では「当て方」についてお話ししました。クラブヘッドをボールに正しくコンタクトすることができれば、それ以外の部分は多少変則でもボールを思い通りに操ることができる。まずはそれを理解することが上達への道です。

ただ実際には、わかったからと言ってすぐにできるものでもありません。ゼロベースから9時・4時スイングを学べば誰でもすぐ上手くなりますが、なかなかそうもいかないのが現実だからです。

私のところへ習いに来る生徒さんにしてもゼロベースの人はほとんどいません。大人向けの個人レッスンを受けに来るのは若くて40台、中心層は50台、60台です。それなりに生活に余裕が出てこないとなかなか来れないんですね。そうすると、ちょうどよく熟しているというか、長年培った癖が体に染み込んでいて、それが上達を妨げます。

われわれのような職業が成立するのは、まさにこのおかげで、想定スコア130の人は100の人が先生になるという構図が、ゴルフのティーチングという産業を成立させているんです。130の人にとってみれば、100の人はむちゃくちゃ上手いですし、100の人にとってみれば90ぐらいの人も上級者なので、会社の先輩など、身近のそういう人に習うじゃないですか。そうするとむちゃくちゃなゴルファーができあがって、僕らの潜在顧客になってくれます。

これがもしもハンデゼロの人に教わったら潜在的顧客はゼロです。100いくつの人が先生になるのがミソなんです。それでは絶対に上手くならないですから……。ところがゼロベースの人を本当の上級者が教えたら、上手くなっちゃうんですよ。

そうやって100いくつの人によって作り上げられたゴルファーは、超マイナスからのスタートになりますから、ゴルフを続ければいずれ悩んでコーチの元に来ることになります。そういう方々と取り組んでいる内容ははっきり言ってコントのようです。一度覚えてしまった動きというのはなかなか取り去れないからです。

一時期、オーバースイングのひどい人が私のレッスンを受けに来ていて、かなり頑固な動きなものですから、極めて小さいスイングから作り直そうとしたことがありました。9時・4時スイングをマスターすれば軌道がまっすぐになると思ったんです。ドライバーでやってもらいましたが「ここまで上げればいいんですよ」と実際に打って見せて、30ヤードぐらいしか飛ばないことも理解はしてもらったと思うのですが「さあ、どうぞ」と続いて本人にやってもらうと、ガバっと大きく振り上げて150ヤードぐらい飛ばすんですよ。「うわーっ!」とか叫びながら、ジョン・デーリーか横峯さくらか! というぐらい大きく振り上げるんです。

バックスイングをインサイドに引き込む癖があるような人もなかなか治りませんね。あまりにひどいので、始動でヘッドを真上に持ち上げてくださいと言っても「わかりました!」と言った直後に思いっ切りインサイドに引っ張り込みますから。このように、コントのようなやり取りを日々行っているのが、われわれティーチングプロという職業です。

それでも、9時・4時スイングからコツコツ作っていければチャンスはあるんです。ところが地味な練習ですから拒絶反応を示す場合も多いんですね。われわれはサービス業でもありますから、嫌なものを無理にやらせるわけにもいきません。仕方なく別の方法でトライするわけですが、絶対的な近道は「当て方」の習得であり、以前にご説明した動作です。

前置きが少々長くなりましたが、ここまで読んでいただければ、私が繰り返し強調していることもけっこう理解していただけていると思いますので、ここではスイングの全体像をお話ししようと思います。体の各部分はそれぞれどのように動いているのか、という話です。時々メディアの取材を受ける私ですが、ここまで細分化して説明したことはないので、参考になれば幸いです。

【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹

「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!