なぜできないのかを解明し、正しいスイングを覚える
ここまででボールとクラブの当て方、およびスイング中の体の各部の動きについて細かくお話ししてきましたが、この章ではそれがなぜできないのか、にフォーカスを当ててお話ししていこうと思います。
おそらくこの本を読んでいる方にまったくゴルフをやったことがない、という方は少ないはずです。まあまあキャリアがあるか、少なくとも自分なりにボールを打てるようにはなっているレベルの方々が、何らかのプラスアルファを求めてこのページを見ていただいていると推測します。
そのレベルの方々なら、正しいスイングとはどういうものなのかは、だいぶわかっていただいていると思います。しかし、それを実行できるかというと、そうでもありません。なぜ正しい体の動き、クラブの動きがわかっているにも
かかわらずそれができないかというと、一度間違った動きを覚えてしまっているからです。
普通の社会生活を送っていると、運動の能力というものはどうしても落ちていきます。思い通りに体を動かそうと思っても、なかなかできるものではありません。たとえばバックスイングをインサイドに上げ過ぎている人に、アウトサイドに上げるようアドバイスをしても、できない人のほうが多いんですね。
さらに自分から見て正面が12時だとして、4時の方向にクラブを引っ張り込んでいる人がいるとしましょう。その人に対して「1時の方向に上げてください」とアドバイスをすることがあります。もちろん実際に1時の方向に上げたらおかしな話になってしまいますが、4時の方向に引くシステムを壊したいがために、そういう極端なイメージでやってもらうことがあるんです。ご本人も
「わかりました。1時の方向に上げるんですね」と理解はしていただけるし、1時の方向にワッグルをしたりはするんです。でも「はい、どうぞ!」でテークバックすると、やっぱり4時の位置に引いてしまうんですよ。これはよくある話で、むしろこういうケースのほうが多いと言っていいでしょう。
【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹
「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!
公開日:2021.06.20