サッカーはジャズである
サッカーはジャズのように即興性のあるスポーツだ。ジャズは基本的なメロディがあり、基本となるコード進行を覚えてバンドで即興演奏をする。サッカーも攻撃のコード進行(プレーオプション)を覚えることで、チームとしてハーモニーのある即興プレーができる。
ある日、ジャズ音楽に詳しい妻に尋ねた。「ジャズは即興演奏するよね。ジャズ・ミュージシャンはコード進行を覚えているの?」「そう、ジャズ・ミュージシャンは全てのコード進行を覚えて即興演奏するの。無からは何も生まれないよ」。
この言葉を聞いた瞬間、サッカーの攻撃戦術もジャズと一緒ではないかと閃いた。ジャズのコード進行について調べた。コード進行とは和音のことである。3和音と4和音を混ぜ合わせると全部で432個。即興性と言うものは、無からは生まれない。
無から生まれているように見えて、何かしらの影響を受けて即興性が生まれている。例えば、昨日メッシが凄いゴールを決めたのをテレビで見て、そのプレーをイメージしてシュートをしたら決まった、そのような個人の即興性はあるだろう。しかし、チームプレーとしての即興性はチームメートと何回もトレーニングをするなかで身につくものだ。サッカーの攻撃は、類似したプレーオプションが無数に存在する。最終的に、個人として、チームとしてどのくらい多くのプレーオプションの抽斗があるかで即興プレーの創造性があるか、ないかが決まってくる。ここにダイヤモンド・オフェンスを学ぶ意義がある。
出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』坂本圭
『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭
日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。
公開日:2021.12.05