左腕が右腕に道を譲る
腕の動きは、水平素振りを行うことでより鮮明になります。肩の高さでヘッドを水平に動かしてクラブを振るとしましょう。バックスイングしたとき左腕が上がってきて水平の基準面に触れますが、そこからヘッドを元の位置まで戻すときに左腕が下がることがポイントです。左腕が下がりながらヘッドが戻ってきて、左腕が下の状態のままフォローサイドに振り出していきます。
もし左腕が基準面の上を動いてしまうと、右腕が出てこれませんし、クラブヘッドが起きません。左腕が下がって「道を譲る」ことで右腕が出てヘッドが起きるのです。
ジョーダン・スピースの左ヒジが引けているように見えるのはまさにこのメカニズムで、ヒジが引けているのではなく、ヒジを下げているのです。ヒジが下がるからヘッドが起きてきますし、そのまま振り抜いているだけなんですね。
左腕が道を譲らない人は、右腕を跳ね上げて基準面の上で腕を振ってしまうことになり、これはNGです。
基準面の下でいかに腕を速く振るかが、重心距離の長いクラブを使いこなすポイントです。
結局、切り返しでへらが後ろに倒れる方向に動くのか、それとも起きる方向に動くのかが運命の分かれ道で、大型ヘッドのドライバーでは特に重要になります。
【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏
ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。
公開日:2020.08.20