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なぜSNSで炎上すると批判が過激化してしまうのか!?【社会心理学】

Text:亀田達也

他人の意見を知ることで批判が加速する

大小の差こそあれ、いまや毎日のように起きているのがインターネットでの炎上騒動です。有名人の不適切発言やスキャンダル、バイトテロと言われる動画の公開、公務員や企業による不祥事など、ひとたび話題になれば、たちまちSNSで拡散。本人や企業のアカウントには、大量の非難が寄せられる事態となります。

こうしたインターネットでの炎上で特徴的なのが、批判が過激化していくというものです。相手の人格を否定するようなものから、差別的な発言、さらには「死ね」といった直接的なものまで罵詈雑言が並びます。なぜインターネットでの炎上は激化しやすいのでしょう。

その理由のひとつとして考えられるのが「社会比較説」と「集団極化」です。社会比較説とは、他者の多くが自分と同じ意見であることで自分の意見に自信を持ち、その考えがより強化されることです。

集団極化は、集団で討論する際、メンバーにリスキーな意見の人が多ければ、集団での意思決定もよりリスキーに、逆に安全志向の人が多いとより安全に偏かたよる傾向のことです。

インターネットの世界というのは、自分と同じ意見の人を見つけやすい環境であり、自分と同意見のみ見聞きする、あるいは同意見のコミュニティーに参加することで、集団極化も起きやすくなります。

加えて、沈黙の螺旋や反対意見を軽視する集団的浅慮なども発生しやすく、これらが複合的に合わさることで、激化しやすいと考えることができます。また、匿名であるというのも激化しやすい大きな要因のひとつでしょう。 

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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