LOVE SPORTS

  • HOME
  • SPORTS LAB
  • 漢方理論のベースとなる「陰陽思想」とは?【生薬と漢方薬の事典】

漢方理論のベースとなる「陰陽思想」とは?【生薬と漢方薬の事典】

Text:田中耕一郎

ベースとなる「陰陽思想」

ベースとなる「陰陽思想」【生薬と漢方薬の事典】

月が陰で日は陽、夜が陰で昼が陽、女が陰で男が陽というように、自然界のすべての事象には陰と陽がある、という陰陽思想は、漢方理論のベースになる考えです。陰と陽は相対的なもので、互いに相反したり、入れ替わったり、補いあったりしながら常にバランスをとっています。

たとえば、季節も陰陽の移り変わりで起こると考えます。一年のうちで陽が極まるのが夏至、そこから冬に向け陽が減り陰が増していき、陰が極まるのが冬至です。一日の中にも同じように陰陽の移り変わりがあります。

人間も自然界の一部。体内が陰で体表が陽、腹側が陰で背側が陽、下半身が陰で上半身が陽など、さまざまな陰陽があります。その陰陽のバランスがどちらかに傾いてくずれたときに、体調もくずれると考えるのです。

すべてを五つに分類する「五行学説」

ベースとなる「陰陽思想」【生薬と漢方薬の事典】

陰陽思想とともに、漢方理論の大きな柱となっているのが五行学説。自然界のすべてを「木・火・土・金・水」という5つの物質(五行)のグループにあてはめて分類する考えです。

五行は相互に関係します。それをあらわしているのが左の図で、右回りの矢印が相生、対角線の矢印が相剋の関係を示します。矢印をたどってみましょう。相生は、木は燃えて火を生み、火が燃えてできた灰は土となり、土から金が産出し、冷えた金属の表面に水滴がつき、水は木を育てるという、相手を生み出し助ける関係。相剋は、木は土から養分を奪い、土は水を埋め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を切り倒すという、相手を抑制する関係です。

五行論は漢方医学の経験、知識と密接に関連づけられ、診断や治療に応用されます。

 

【出典】『生薬と漢方薬の事典』著:田中耕一郎

【書誌情報】
『生薬と漢方薬の辞典』
著:田中耕一郎/ 監修:奈良和彦・千葉浩輝

生薬と漢方薬の事典カバー画像
Amazonで購入する →

漢方の処方によく使われる生薬と漢方薬の事典。
漢方の元となる生薬図鑑では、119の主な生薬について、元となる植物を、写真と細密なイラストで紹介。
薬効や処方だけでなく、生薬に対する知識や理解をより深めることができます。

不調やトラブルに対する漢方処方は、体質や病邪からみています。
どんな体質の人がその症状に陥りやすいのかどこに原因があるのか、どの漢方薬を処方するのか。およそ30の症状について個別に解説しています。
専門家による「証」を基準とせず、体質で判断できるので、一般の方にもわかりやすい内容です。

漢方薬については、298処方の適応症状、体質、分量、出典などを紹介。
漢方を学ぶ人だけでなく、漢方薬局や漢方処方に興味のあるすべての方におすすめの一冊です。

  • この記事を共有する!
芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内