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ふたごは天然のクローン!?一卵性と二卵性の違いとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話】

Text:安藤寿康

ふたごの研究でわかった遺伝の影響

一卵性双生児は天然のクローン

ここでは、「双生児法」について具体的に説明していきましょう。一卵性双生児は1個の受精卵が、細胞分裂時に何らかの理由によって分離したことによって生まれてくるふたごです。ひとつの受精卵から生まれるので、DNAの一致率は100%で性別も必ず同じになります。一方、二卵性双生児は2個の卵子にそれぞれ別の精子が受精して子宮の中で一緒に育ちます。そのため、同時に生まれること以外は、普通のきょうだいと同じで、DNAの一致率も50%ほどになります。

双生児法は、このふたごの特性を利用したものです。一卵性と二卵性のデータを集め、ある形質についての類似性を比べます。同じ家庭で育ち、DNAもまったく同じ一卵性のペアのほうが、育った環境が同じでも一致率が50%の二卵性のペアよりも似ているのであれば、それは遺伝の影響と判断できます。一方、一卵性と二卵性のどちらも同じくらい似ている、あるいは一卵性でもあまり似ていないのであれば、40ページで説明した「共有環境」や「非共有環境」が影響していると考えられるわけです。

ちなみに、ふたごがどのくらい似ているかは「相関係数」という数値で表わします。ある形質について完全に同じであれば相関係数は「1」に、まったく違っていれば「0」になります。

ふたごはどのようにして生まれてくるのか

「双生児法」で遺伝と環境の関わりを探る

たくさんの一卵性双生児と二卵性双生児のデータを集め、類似性を比較します。同じDNAを持つ一卵性双生児のほうが似ていれば、それは遺伝の影響と考えられるわけです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』著:安藤 寿康

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修:安藤寿康

≪累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』≫
環境や努力は遺伝に勝てない!?行動遺伝学者が語る“遺伝のタブー”を図解でわかりやすく解説!【遺伝の話】

「生まれ持った才能」「容姿の格差」「親ガチャ」…誰しもなんとなく気が付いて受け入れているものの、表立ってその違いを口にすることはタブーとされがちな遺伝の話。
近年、インターネット上でもさまざま議論がなされ、「遺伝」に関する話題は注目を浴びています。

一般的に遺伝といえば、身長や体重、髪の毛や瞳の色といった身体的特徴が親から子に受け継がれることを指し、遺伝学とはこういった特徴が次世代にどのように引き継がれるかを研究する学問です。その中でも特に、遺伝と環境が人の成長にどう影響しているかを解明していく分野を「行動遺伝学」といいます。
本書では、行動遺伝学の第一人者である著者が遺伝にまつわるさまざまな気になるギモンをわかりやすく解説します。

「親から遺伝するもの、しないものって何?」「そもそも遺伝ってどういうしくみ?」という基本的な知識から、「収入と遺伝は関係がある?」「容姿の差による格差ってどれくらい?」「遺伝で決まっているから環境や努力ではどうにもならない?」「生まれで9割決まっているって本当?」など、漠然と言われているけど誰も正直に答えてくれないような話題まで、徹底解説!

誰しも避けて通れない遺伝の真実を、わかりやすく、そして正しく知ることができる一冊です。

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