日本海に暖流が流れ込み、日本列島の気候変化、植生変化、生態変化が始まり、自然環境が一変したことが縄文文化成立の前提条件になっています。
古生態学者たちの花粉分布測定調査では、いまから一万二千年前までは亜寒帯性の針葉樹林が列島全体を覆っていたのですが、次第に西日本から東日本へブナやナラの落葉広葉樹林帯が広がっていったようです。
落葉広葉樹林は大地を肥やし、様々な植物を育て、それを食料とする動物や鳥類を繁殖させるので、それだけ人類の食糧資源、生活環境も豊かになりました。その時、人類史を画する大事件が勃発したのです。
土器の発明です。火山の爆発、溶岩流で土が焼けると硬くなることを発見し、焼くことで土器を作る技術を発明したのです。これによって、食糧加工、保存技術が飛躍的に進化します。火山列島だからできたのです。
出典:『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』著:鈴木旭
【書誌情報】
『図解 眠れなくなるほど面白い 日本史』
著:鈴木 旭
予想をはるかに越え、驚くべきほど進歩的な生活だった縄文文化から、戦後を経た現代まで、日本史の流れと疑問点がスッキリわかる!--知りたい通史の流れと時代ごとのポイントが完全図解でわかりやすく、時代の変遷、事件、人物、背景がどんどん頭に入ってくる。最新の発見や新しい史論を取り入れた、歴史の学び直しにも、入門にも最適な1冊。
公開日:2021.10.03