筋力と柔軟性の現状を把握する
日頃から体を十分に動かしていない人は、筋肉が衰えた状態に陥っています。運動習慣がない場合、20代後半から筋肉が年0.5~1%減り続けていくと言われ、とくに下半身の筋肉の衰えが顕著です。下半身の筋力低下を放置すると、将来的に日常生活の移動すら困難なロコモティブシンドローム(ロコモ)になるリスクも高まります。左図で紹介している「立ち上がりテスト」は、日本整形外科学会の「ロコモ度テスト」で行なわれている筋力チェックです。
椅子から立ち上がれなかったり、脚がグラグラして姿勢が保てなかったりする人は、ロコモ予備軍。当然ながら、走るための筋力が備わっていません。
運動不足の人はおしり、太もも、ふくらはぎなど下半身全般の柔軟性が足りない傾向が目立ち、こちらも走るための体としては不充分です。ただし、柔軟性が高すぎるのも問題です。筋肉が柔らかすぎると、関節が不安定になり、関節や靱帯などに負担がかかってしまいます。
しかし、筋力も柔軟性もトレーニングやストレッチで改善できます。無理して走らず、ウォーキングを続けながら少しずつ鍛えていきましょう。
出典:『図解 中野ジェームズ修一のランニング教科書』
【書誌情報】
『図解 中野ジェームズ修一のランニング教科書』
著:中野ジェームズ修一
人気トレーナーによる最強の新しいランニングの入門書。多くのランナーが望み、目標とする「疲れないでラクに長く走れる」方法をはじめ、「健康のため、ダイエットのため」のランニング法など、目的別に効果的な走り方とポイントをわかりやすく図解で教える。ランニング未経験者でも気軽にはじめられるよう、シューズ選びから、正しいフォームやトレーニング法、距離を伸ばすための練習メニュー、ランニング前後のストレッチまで、ランナーが持つフィジカル面とメンタル面の悩み、疑問にすべて答える1冊。また、本書では目的別、体質別に、走るのにベストな時間帯などやその理由を解説し、最適な効果を得るための、とっておきの「タイミングランニング法」を教えます!!
公開日:2022.07.08