運動後のストレッチは柔軟性を高めるチャンス
ストレッチには運動前に行なう動的ストレッチと運動後に行なう静的ストレッチがあります。筋肉は、収縮するときに大きな力を出します。ランニングなどの運動をしたあとの筋肉は、興奮状態が続いて縮んだままになっていることがある他、疲労物質が蓄積しています。運動後の静的ストレッチには、この縮んだ筋肉を伸ばし、疲労物質を拡散させる働きがあるのです。
筋肉の収縮を担う筋原線維は、サルコメアという節が連なって構成されています。ストレッチを習慣化して筋肉を伸ばし続けていくと、このサルコメアは少しずつ増えていきます。サルコメアが増えると筋原線維が長くなる──つまり、筋肉が伸びて柔軟性が高まるのです。
運動後の筋肉は収縮していますが、温まっているため伸ばしやすい状態です。サルコメアを効率よく増やすことができるので、体が硬い人こそ、運動後のストレッチは柔軟性を高めるチャンスと言えるでしょう。
出典:『図解 中野ジェームズ修一のランニング教科書』
【書誌情報】
『図解 中野ジェームズ修一のランニング教科書』
著:中野ジェームズ修一
人気トレーナーによる最強の新しいランニングの入門書。多くのランナーが望み、目標とする「疲れないでラクに長く走れる」方法をはじめ、「健康のため、ダイエットのため」のランニング法など、目的別に効果的な走り方とポイントをわかりやすく図解で教える。ランニング未経験者でも気軽にはじめられるよう、シューズ選びから、正しいフォームやトレーニング法、距離を伸ばすための練習メニュー、ランニング前後のストレッチまで、ランナーが持つフィジカル面とメンタル面の悩み、疑問にすべて答える1冊。また、本書では目的別、体質別に、走るのにベストな時間帯などやその理由を解説し、最適な効果を得るための、とっておきの「タイミングランニング法」を教えます!!
公開日:2022.07.11