危険な水を飲むことで感染症にかかるおそれも
日本のように水道水をそのまま飲める国は、実は世界に9ヵ国しかありません。世界人口の約3分の1は安全な水を利用できず、川や池、用水路、ふたのない井戸などの危険な水を飲んでいる地域も多いのです。
開発途上国ではインフラが整っていないことが多く、排せつ物、生活・工業排水が流れ込んだ水を、そのまま飲んでいるケースもあります。危険な水を飲むことで、子どもが下痢になって命を落としたり、コレラや赤痢などの感染症にかかったりするおそれもあります。水が正しく管理されていないと、蚊が媒介するおそろしい感染症が広がる原因にもなります。
衛生面だけでなく、水くみの負担も大きな問題です。水くみはたいてい女性や子どもが任せられるため、収入を得るための仕事や、学校へ行く時間がなくなってしまうからです。
一方、日本は水道普及率が約98%と非常に高く、きれいな水を提供する浄水技術も優れています。水道の整備により、水を原因とする感染症の患者もほとんどいません。その技術力を生かして、開発途上国に浄水場を建てたり、コストの低い濾過システムを導入したりと、さまざまな支援を行っています。
日本の水道普及率は98%と高い中、注目したいキーワード
水道水をそのまま飲める国は9ヵ国だけ…世界人口の約3分の1は安全な水を利用できていません。
危険な水が感染症を引き起こすこともある…インフラが整っていない国では生活・工業排水が流れ込んだ水をそのまま飲んでいるケースもある。
日本が行うインフラの整備とトイレの提供…浄水施設や下水処理施設などの整備。
汚れた水をきれいにすることも大事ですが、誰もが利用する水のもとになる、河川や地下水などの水源を守ることも忘れてはいけません。世界で起こっていることを知るために、浄水施設のしくみについて学ぶことも大事になってきます。
「親子で学ぶSDGs」はこんな方にオススメ!
・日本や世界で起こっていることに興味がある
・SDGs達成に向けた実際の取り組みが知りたい!
・自分自身が未来のためにできることはなにがあるのか?
・世界各国の水道水はそのままで飲むことができるの?
そう感じている方にはぜひ本書『親子で学ぶSDGs』を手に取っていただけたらと思います。
出典:『親子で学ぶSDGs』著/笹谷秀光
【書誌情報】
『親子で学ぶSDGs』
笹谷 秀光 著
今、大注目の大切な話「SDGs」について、わかりやすいテキストとイラストで解説しながら各項目を【3つのキーワード】にまとめました。「エスディージーズってなに?」という基本から、日本と世界の「ヤバイ問題・スゴイ取り組み」まで一気にわかります。
公開日:2022.08.20