食べ方の問題点を確認してみよう
多くの生物と同様、私たち人間もつねに何かを食べなければ生きていくことはできません。しかし近年、この「食べる」という行為自体に腎臓を傷める可能性があるということに注目が集まっています。実際に何かを食べているときは、食べ物の見た目や香り、味わいなどに意識が向いているため、「食べている状況」や「何をどう食べているか」をあまり考えていない人が多いというのが現実です。
たとえば、みなさんが毎日飲んでいるペットボトル飲料。その飲み物に糖分や添加物は入っているのでしょうか?今週だけでスナック菓子やスイーツを何回食べましたか?こうした問いに即答できる人は少ないと思います。こうした何気なく続けてしまっている日々の食習慣が腎臓に負担をかけ、慢性腎臓病を招くきっかけになっている可能性があるのです。
下の図は、腎臓にとってはよくない食べ方の一例です。塩分や糖分、脂質、アルコールなどの摂り過ぎがよくないことは言うまでもありませんが、朝食を抜いたり、外食が続いたりするのも腎臓にとっては負担大。半分以上当てはまるという人は、すでに自分が腎臓病予備軍であることを意識して、より深刻な事態を迎える前に、ひとつでも多く項目を減らせるよう、食習慣を見直すことから始めましょう。
・朝食は食べないことが多い
・野菜料理やサラダはあまり食べない
・料理の味付けは薄めより濃いほうが好き
・人と食事していると、だいたい先に食べ終わってしまう
・砂糖やクリームを入れたコーヒーや紅茶、またはジュース類をよく飲む
・おかずには揚げ物や炒め物を食べることが多い
・朝食、昼食は軽めにして、夕食をしっかり食べる
・ソーセージやハムなどの加工肉をよく食べている
・お腹が空くと我慢できずに間食してしまう
・きのこや海藻類、大豆食品はあまり食べることがない
・スナック菓子やスイーツ、アイスクリームなどをほぼ毎日食べている
・ほぼ毎日飲酒している
・食事は家より外で食べることが多い
・食後に「ちょっと食べすぎたな」と感じることが多い
・遅い時間の夕食や追加で夜食を食べることがよくある
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』著/上月正博
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 腎臓の話』
著:上月 正博
血液をろ過する、尿をつくる、水分や塩分、ミネラル量などを一定に保つなど、数々の重要な役割のある臓器『腎臓』。普段はあまり意識することはないものの、人間の体の中で非常に大きな役割を果たしています。しかし、加齢をはじめ、生活習慣病などで悪くしてしまうと、人工透析が必要になってしまうなど、健康寿命に直結する臓器でもあります。本書ではそんな腎臓を長く健康に保つために、腎臓の名医による、腎機能を正常に保ち、いつまでも健康でいられるコツを紹介します。『そもそも腎臓の役割って?』という基本的な知識はもちろん、1300万人以上いるといわれる『慢性腎臓病(CKD)』の話、さらに自分や家族に使える『腎機能を高める食事法』、『透析中もできる『腎リハ』』などをイラスト、図解でわかりやすく解説します。人生100年時代を長く健康に生き抜くために誰でも参考になる一冊です。
公開日:2023.02.14